【与那国】与那国島の5集落で25日間にわたって行われる島最大の祭事「マチリ」は8日、最終日を迎えた。司(ツカサ)が「アンタドゥミ」という儀式で最後の祈りをささげ、神に別れを告げる「神別れ」でマチリを終えた。
前日の7日は西集落の「ンダンマチリ」があり、自治公民館の関係者らが拝所を回り、地域の繁栄などを祈願した。夜は与那原家の「刀根(トゥニ)」と呼ばれる拝所で、火を囲んで輪になり願い踊る「ドゥンタ」が行われた。今では与那原家だけが続けており、マチリの締めくくりの催しとして、各自治公民館の役員や与那原家の関係者らが集まった。その後、司や与那原家の関係者は祭場で1泊した。
マチリは旧暦10月の庚申(かのえさる)の日に始まる。久部良、東、比川、島仲、西の5自治公民館の順番で祭事を行い、それぞれ「異国人の退散」「牛馬繁栄」「家庭円満・子孫繁盛」「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」「海上安泰・旅果報」を願う。マチリの間、関係者は獣肉食を禁じられる。今回は昨年12月15日に始まった。
4世代が集まってドゥンタを楽しんだ与那原家。当主の繁さん(52)は「ことしも無事終えることができて良かった。祖先が残してきた催し。子どもたちにも伝統を知ってもらいたい。今後も続けられる限り続けていきたい」と話した。