繁栄の証し、950人記す 向氏玉川門中会、系図完成


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縦90センチ、横3・6メートルに及ぶ系図概略図の完成をうれしそうに見る向氏玉川門中会のメンバー=16日、那覇市首里久場川町

 第4代尚氏尚清王の八男読谷山王子朝苗の子孫で構成する向氏玉川門中会(儀間朝昭会長)は16日、那覇市首里久場川町で1985年に作製した「玉川門中系図」を再編集した概略図を関係者に公開した。

五つの先祖の系統があることなど、新たに分かった200項目の史実を系図に盛り込んだ。
 系図概略図は縦90センチ、横3・6メートルに及び、1世から14世まで書かれている。2012年に「系図改定編集委員会」を設置し、さまざまな文献や本家に現在まで引き継がれている位牌などを調査した。
 概略図には琉球王国の宰相職である三司官を務めた人や三司官人事をめぐる問題で、不正をしたとして免職投獄され、流罪に処せられた牧志恩河(えん罪)事件の当事者3人など約950人の名前を記載している。
 系図はまだ完成ではなく、2年後の完成を目指している。編集委員会の源河朝徳委員長は「調べれば調べるほど、分からないことが出てくるのが面白い」と系図を見詰める。
 門中会には210人おり、子孫は20世、ハワイやブラジルなど海外にもいる。儀間会長は「この系図から、沖縄の歴史の中で先祖が何をしたのか学んでほしい。英語などに訳して海外の人にも門中の歴史を伝えていきたい」と話した。概略図は25日の向氏玉川門中会の総会で披露される。