観光案内板 県、対訳表作成へ 中国、韓国語で初


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 県文化観光スポーツ部が実施した英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語を母国語とする外国人観光客の県内観光案内板への認識調査によると、2割の外国人が「困った経験がある」と回答した。そのうち「日本語しか表記がなかった」との理由が6割超を占めた。県は外国人観光客の利便性向上に向け、2014年度中に県内350カ所の重点整備地区を選定し、中国、韓国語で地名などを表記するための県版翻訳ルールと対訳表を初めて作成する。

 認識調査は14年11月に那覇空港国際線ターミナルで実施した。回答した1522人のうち2割が「困ったことがあった」と答えた。そのうち270人が理由(複数回答可)を答え、66・3%が「日本語表記しかなかった」と回答。「案内サインが少なかった」27・4%、「英語しかなかった」15・2%と続いた。
 県内自治体に対する調査では、回答した33市町村のうち28市町村が「案内サインの整備を進める意向がある」と回答しており、整備が不十分である実態が浮き彫りとなった。
 調査結果は、那覇市内で23日に開いた観光案内板の多言語表記の統一に向けた有識者委員会(座長・堤純一郎琉球大学工学部教授)第1回会合で報告された。委員は翻訳経験者ら9人。
 県は今後3回の検討部会で翻訳ルールと対訳表の案をまとめ、3月の第2回委員会で決定する方針。重点整備地区は那覇市首里周辺と宮古島市を優先的に選定し、15年度以降、順次拡大する。

観光案内板に関して困ったことの有無
観光案内板に関して困った状況