家族連れ再び伊江島に 6年前に民泊体験 丸山美妃さん


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民泊を体験し6年ぶりに再会した名城郁枝さん(右端)と丸山美妃さん(同2人目)=20日、伊江村川平の名城さん宅

 【伊江】体験・滞在型観光として県外の中学・高校を対象とした民泊事業の先進地の伊江村では、受け入れ人数が年間5万人を超える。受け入れ民家となる「島の両親」を「オットー」「オッカー」と呼び、1、2泊を共に過ごし、離村時には涙を流す姿は感動的だ。その後も生徒たちは受け入れ民家と交流を続ける中、当時中学生だった丸山(旧姓・山際)美妃さん(21)が6年ぶりに受け入れ民家の名城郁枝さん(57)を訪ね、再会した。

 郁枝さんは2006年から4年間、受け入れに携わった。美妃さんは当時、大阪府堺市立美原中学校の3年生で、08年5月の修学旅行でクラスメートの4人と民泊を体験した。初めて会ったと思えないほど親しくしてもらい、夕食に出されたタコライスは今でも忘れられないという。
 年月がたち、美妃さんは高校の先輩である陵汰さん(22)と出会い3年後、美妃さんの誕生日に結婚。昨年、2人で美ら海水族館を訪れた際に、目の前に見える伊江島を見て「来年は伊江島に行く」と決意。美妃さんは郁枝さんに手紙を出し、今月20日に再会した。
 美妃さんには1歳3カ月になる煌星ちゃんが誕生し、この日は郁枝さん宅で再び民泊を体験した。郁枝さんの夫の政英さん(59)は副村長で、美妃さんの来村に合わせ東京出張を終え急いで帰島した。
 夕食を囲みながら当時の民泊の話題で盛り上がり、郁枝さんが手作りしたサーターアンダギーを煌星ちゃんが3個も食べ、島のオットー、オッカーになつくなど、笑いが絶えなかった。
 美妃さんは「当時は1日の民泊だったけど、6年間があっという間に感じた。息子も紹介でき、3人で伊江島に来たことをうれしく思う。第二の古里として今後も交流を続けたい」と喜んだ。
 郁枝さんも「受け入れた生徒たちが大人になり、メールや年賀状で成長ぶりを伝えてくれる。美妃さんのように家族で来たのは初めて。またいつでも遊びに来てね」と笑顔で語った。
 伊江島で民泊を体験した生徒たちが社会人となり、家族やプライベートで再び島の両親を訪ねるなど、リピーターが年々増加。全国に伊江島をPRする効果も重なり、大きな経済効果となっている。(金城幸人通信員)