鹿児島銀行、沖縄進出前向き 頭取「半年か1年内に判断」


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 鹿児島市に本店を構える鹿児島銀行の上村基宏頭取が29日の定例記者会見で、「沖縄に進出したいと思っている」と県内への支店設置に向け前向きな姿勢を示した。那覇空港を拠点とした国際物流ハブ事業や、沖縄の人口増加などを背景に挙げた。支店設置については「半年か1年以内に判断したい」とした。

 営業内容は、沖縄の人口増を背景に「住宅ローンなど個人向けから入りたい」と説明。ただ「取引先企業のお手伝いをするのがメーンのテーマだ。沖縄に拠点を置き、仲介役ができればと考えている」と話し、法人向け融資にも意欲を示した。沖縄には「取引先の100社くらいが進出している」という。県内法人向けには、県内大手のホテルなどを中心に営業を広げていく方針を示した。
 国際物流ハブ事業については「沖縄の向こうには台湾や東南アジアが控えている。どうスムーズに運べるか把握しておきたい」と述べ、取引先企業の海外展開に向け積極的に活用する姿勢を示した。鹿児島や宮崎の農林水産物の輸出を促進する考えだ。
 鹿銀は肥後銀行(熊本県)との経営統合を発表している。ただ沖縄進出については「鹿児島銀行としてやる」と話し、単独で検討している。
 鹿銀は2014年9月から県内に行員1人を派遣し、県内の貸出金利や融資状況などの調査を続けている。担当者によれば、今後調査内容を基に担当部署が方針案を作り、最終的に取締役会に諮り進出の可否を決定する。議論の時期については未定だという。