辺野古ケーソン新設で三重から6基輸送 土台の石材は本部


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて、沖縄防衛局が本体工事として着手するケーソン新設工事(1工区)の工事計画の概要が分かった。本部町の採石場で約6万個の石材を調達して作業船で大浦湾に運び、海底に投下して護岸の土台を造る。その後、三重県で護岸の一部となるハイブリッドケーソン(鋼材と鉄筋コンクリートを一体化した箱)6基を製作し、半潜水式台船で大浦湾に運び、2017年9月までに約300メートルの護岸を整備する予定。

 ただ防衛局は本体工事着手前に、県が埋め立て承認時に留意事項として付した「実施設計の協議」をする必要がある。
 翁長雄志知事は第三者委員会を設置し、前県政の埋め立て承認の取り消しか撤回を視野に4月を念頭に検証結果をまとめる考えを示しており、政府に対して「検証期間中は海上作業を見合わせてほしい」と要請している。
 だが安倍政権は県の要請を顧みず工事を進める考えを示しており、ケーソン新設工事も早ければ4月にも着手する構えだ。埋め立ての既成事実をつくることで、移設に反対する県民の諦めを誘う狙いもあるとみられる。
 本体工事のケーソン工事は、基礎となる砕石を本部港からケーソン設置場所に運搬し、海底に投下して起伏がない状態にならす。
 その後、1基当たり長さ52メートル、幅22メートル、高さ24メートル、重量約7400トンのハイブリッドケーソン6基を製作場所の三重県から約1週間かけて半潜水式台船で運搬。水中に浮かべたまま、キャンプ・シュワブ沖合まで運搬する。
 一度海上ヤードに仮置きした後、護岸整備予定場所に大型クレーン船で運ぶ。設置場所でケーソンの中にポンプで水を入れ、海底に沈めた後、土砂を入れてさらに重量を増やし、ふたをする。その後動かないよう根固めブロックなどで固定する予定。

石材搬入経路
ケーソン新設工事の概要(クリックで拡大)