中国武術と類似性紹介 空手のルーツ探るシンポ


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中国武術に関する文献を紹介した宮城篤正氏=1月25日、浦添市てだこホール小ホール

 【浦添】浦添市教育委員会は1月25日、市てだこホールで「空手のルーツを探るシンポジウム」を開催した。中国武術と空手の専門家が多数登壇し、その歴史や関係性、類似性などそれぞれの研究成果を発表した。

 シンポジウムは、市が沖縄振興特別推進交付金を活用して2012~14年度に実施中の「琉球空手のルーツを探る事業」の一環。同事業では、調査検討委員会を年数回開催し、中国への現地調査も行った。3月には調査報告書の刊行を予定している。
 シンポジウムでは中国武術と沖縄の空手の演武を互いに披露。基調講演で国際南少林五祖拳連誼総会主席の周焜民氏は「首里手、泊手、那覇手は泉州南少林拳と驚くほど似通っている」とし、剛柔流、上地流の開祖が南少林拳系統の武術を学んでいたことを紹介した。
 元県立芸術大学学長の宮城篤正氏は中国武術と空手の文献を多数紹介。沖縄国際大教授の田名真之氏も「大島筆記」や「薩遊紀行」、「南島雑話」に空手にまつわる記述があることなどに触れ、「冊封使の従者などから学んだ型を継承し、近世から近代に先達が新たな型を創作した」と述べた。
 その他、中国集美大学体育学院大学院の翁信輝氏、市空手道連盟会長の津波清氏、早稲田大学大学院の嘉手苅徹氏、県立芸大付属研究所の盧姜威氏が登壇した。
英文へ→Symposium on Karate and Chinese Martial Arts held in Urasoe