外務・防衛相面談なし 翁長知事「県外移設」文書で初要請


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軍転協の要請後、記者団の取材に応じる翁長雄志知事(中央)と稲嶺進名護市長(左)ら=5日午後、外務省

 【東京】県と基地を抱える市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協、会長・翁長雄志知事)は5日、外務、防衛両省と在日米大使館を訪れ、米軍普天間飛行場の「県外移設」などを盛り込んだ要請書を提出した。翁長知事の就任後、文書で県外移設を求めたのは初めて。両省の大臣は対応せず、事務方が要請書を受け取った。翁長知事の上京は昨年12月の就任以降6度目。6日は首相官邸などを訪れるが、官邸側は事務担当の杉田和博官房副長官が対応する。安倍晋三首相や基地負担軽減担当相を兼ねる菅義偉官房長官は今回も面談に応じない。

 外務省は冨田浩司北米局長、防衛省は中島明彦地方協力局長が対応。翁長知事は「普天間の固定化を避け、県外移設と早期返還に取り組んでもらいたい。5年以内の運用停止、一日も早い危険性除去にも取り組んでいただきたい」と訴えた。
 これに対し冨田北米局長は「固定化は避けなければならない」、中島地方協力局長は「辺野古移設が唯一の解決方法だ」などと述べた。
 中島局長の回答に対し、稲嶺進名護市長は「(辺野古移設の)根拠はなくなっている。強行に進められている作業はとてもひどい状況だ」などと反論し、過剰警備を問題視した。
 要請行動には知事のほか那覇、名護など5首長が参加したが、県外移設の文言に難色を示した佐喜真淳宜野湾市長や桑江朝千夫沖縄市長は参加を見送った。
 足並みがそろわなかったことについて、翁長知事は「苦悩の中から一人一人がそれぞれ行動をしている。そして自分の目的のために、使命感のために頑張っている」などと述べ、一定程度理解を示した。
 軍転協の要請は毎年度実施。昨年度の要請は安倍晋三首相ら閣僚が要請を受けており、仲井真弘多前知事への対応と差が出ている。
英文へ→Okinawa Governor Onaga officially requests moving Futenma Air Station outside Okinawa