キングス、3位転落 TKbjリーグ第31戦


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 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=26勝4敗)は7日、那覇市民体育館で浜松・東三河フェニックス(同2位=25勝5敗)と今季第31戦を行い、67―74で敗れた。キングスは浜松、京都とゲーム差なしの3位に転落した。

第1クオーター(Q)の開始直後は3点シュートが好調な浜松が主導権を握って追い掛ける展開になった。キングスは岸本隆一やドゥレイロン・バーンズが外から得点してクロスゲームに持ち込んだが、第2Qに入っても浜松の3点弾は勢いが落ちなかった。35―44とリードされて迎えた後半はアンソニー・マクヘンリーの個人技で押し返した。一時は3点差まで詰めたものの、攻撃の手を緩めない浜松を捉えられなかった。浜松の並里祐(美来工科高―中部学院大)と川満寿史(翔南高―東海大熊本キャンパス)はともに3得点だった。浜松との第2戦は8日午後2時から同体育館で行われる。

浜松・東三河フェニックス(26勝5敗)
 74―67(21―21,23―14,20―16,10―16)
琉球ゴールデンキングス(26勝5敗)

 【評】キングスは浜松の3点弾を抑えられず、ミスは最後まで減らなかった。第1Qはバーンズや岸本の得点で五分の戦いに持ち込んだ。ミスが目立ち始めた第2Qから浜松の流れになった。第3Qにキングスが追い上げたが、要所でシュートを決められず、ミスも出て白星を逃した。浜松は最後まで足を止めることなく、優位に試合を進めた。(平安太一)

◆悔しい内容
 伊佐勉HC(キングス)の話 悔しい内容の試合だった。ミスをしてはいけない場面でうちはミスをして、浜松はシュートを決めた。67点では浜松だけでなく、どこのチームにも勝てない。同一カードとホームの連敗は絶対にやってはいけない。明日(8日)はプライドを懸けて戦う。

◆双方気合あった
 東野智弥HC(浜松)の話 非常にタフなゲームだった。前半はシュートがよく入って、後半は決められなくても我慢ができた。首位攻防戦にふさわしく互いに気合が入っていた。明日はもっと気持ちを引き締めて立ち向かうことが大事だ。

◆気迫前面もミス連発
 大事な戦いだということは誰もが分かっていた。西地区の首位攻防戦で、ルーキー・津山尚大のデビュー戦でもあった。両チームが全力でぶつかり、緊張感に満ちた展開になった。そして、最後は浜松に軍配が上がった。「悔しいという言葉では収められない」。うつむき加減に試合を振り返る岸本隆一の表情が、この一戦に懸けた思いの強さを物語っていた。
 並里成が泥臭くルーズボールに飛び込み、マクヘンリーは力強くリングにアタックした。第1Qから気迫を前面に出したが、大事な場面でシュートミスやターンオーバーが続いた。3点弾で効率よく得点する浜松の背中を捉えかけても逆転には至らない。「相手の土俵でバスケットをしていた」と岸本が言うように、なかなか試合の流れをつかめなかった。
 フリーで放つアウトサイドに加えて、インサイドの簡単なシュートもリングからこぼれた。伊佐勉HCは「浜松の守備の意識が強かった」と相手をたたえながら、「それでもシュートをねじ込まなければ」と選手の奮起を求めた。
 ホームでの黒星。3位転落。キングスにとって大きな試練が訪れた。岸本は「次は何が何でも勝ちにこだわる」と誓う。シーズン最終盤の大事な試合で同じ気持ちを味わわないために、敗戦を乗り越えて前に進む。
(平安太一)

◆「気持ちでプレーした」 津山がデビュー
 キングス初の高校生ルーキー・津山尚大(北谷中出、福岡大大濠高3年)がコートを駆け回った。第4Q残り約6分。大声援に包まれながらデビュー戦の舞台に立ち「緊張せずに気持ちでプレーができた」。1分29秒のプレータイムを全力で楽しんだ。
 名前が呼ばれたのは9点を追い掛ける苦しい場面だった。伊佐勉HCは「流れが来ない時間で尚大とファンの声援の力を借りようと思った」と起用の理由を説明する。津山の出場で会場が盛り上がり、津山は「忘れられない日になった」と感慨深げだった。
 この日はシュートが打てず悔しさも残る。「次はシュートが打てるように思い切りプレーする」と力を込めた。

キングス-浜松 バスケットカウントとなるレイアップシュートを決める岸本隆一=7日、那覇市民体育館(普久原裕南撮影)
デビュー戦となった試合で全力プレーを見せる津山尚大