県内のニート、最多1.5万人 人口比4.6%、全国最悪


社会
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若年無業者数の推移

 県内の15~34歳の非労働力人口のうち、学校にも行かず家事も職業訓練もしていない若年無業者(ニート)が2014年平均で1万5千人に上り、前年比千人増と過去最多を更新したことがこのほど、総務省の労働力調査で分かった。人口比率は4・6%と前年比0・4ポイント増。全国平均2・1%を大きく上回り、全国ワーストが続いている。県は厳しい雇用情勢に加え、不登校率や中卒・高卒時の進路未決定率の高さなどが背景にあるとみて、対策に乗り出している。

 労働力調査から計算すると、県内の若年無業者は2010年に9千人、11年に1万人、12年は1万1千人、13年は1万4千人と増加を続けている。人口比率で見ると、10年は県内2・6(全国平均2・1)%、11年は2・9(同2・2)%、12年は3・3(同2・3)%、13年は4・2(同2・2)%となり、全国との差が拡大している。
 沖縄大学福祉文化学科の島村聡准教授は「失業率や非正規雇用率の高さなどぜい弱な産業構造、貧困に起因する教育力不足などを背景に悪循環が続いている」と指摘する。「雇用のミスマッチといっても本人が就業レベルに到達していない場合と、雇用条件が悪すぎる場合の両方がある。若年者が希望を持って働けるよう雇用構造を変えていかないと解決しない」と語り、貧困世帯の教育支援や雇用環境の改善が急務だとした。