キングス首位守る TKbjリーグ第33戦


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キングス―大分 第4クオーター、ボールに飛び込んでスチールを狙う山内盛久=14日、豊見城市民体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=27勝5敗)は14日、豊見城市民体育館で大分ヒートデビルズ(同6位=12勝20敗)と今季第33戦を行い、85―77で勝利した。

第1クオーター(Q)にキングスが岸本隆一や山内盛久の得点で勢いに乗ると、大分は外からリングを射抜いて接戦に持ち込んだ。第2Qに入ると厳しく守備を仕掛けるキングスが流れをつかみ、ドゥレイロン・バーンズが4本の3点弾を含む14得点の活躍でリードを広げた。48―31と大きくリードした後半は、清水太志郎らベテランを中心に攻める大分の攻撃を止められず、第3Qだけで27失点と苦しんだ。第4Qは4点差まで詰められたが、キングスはファウルで得たフリースローを着実に決めて逃げ切った。大分との第2戦は15日午後2時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(28勝5敗)
85―77(23―20,25―11,17―27,20―19)
大分ヒートデビルズ(12勝21敗)

 【評】前後半で流れが変わる混戦でキングスが辛くも逃げ切った。前半は岸本がインサイドで躍動し、バーンズが外から得点するキングスが優位に立った。後半はキングスのシュートがリングに嫌われ、勢いを増した大分が猛追した。最後は粘り強く得点を積んだキングスに白星が転がり込んだ。(平安太一)

◆楽しめなかった
 伊佐勉HC(キングス)の話 前半は守備がある程度できていたが、後半は大分のシュートがよく入り、追い上げられたことでチームが暗くなった。勝てたけどお客さんは楽しめるゲームではなかった。白星を取りこぼさなかったことは良かった。

◆後半修正できた
 鈴木裕紀HC(大分)の話 この試合で気を付けることはキングスの切り替えの速いプレーだった。前半はそこに対応する意識が低くて簡単にレイアップや3ポイントを決められていた。後半は修正してスコアができた。あす(15日)もしっかり対応したい。

◆大分猛追にひやり 前半の楽勝ムード一転
 コートに暗雲が立ちこめる。前半だけで17点差。大分を相手に攻守で圧倒した前半はキングスがゲームを支配していた。後半も勢いを維持し、一気に引き離して完勝かと思われた。
 しかし、その期待は裏切られた。シュートが入らないキングスをあざ笑うように、大分が得点を重ねる。「相手にシュートを決められて自分たちの攻撃は重くなる悪循環に陥った」。伊佐勉HCは苦々しい表情を見せた。
 選手に慢心があったわけではない。第3Qの立ち上がりに連続失点をしても、タイムアウトで流れを切った直後から気迫に満ちたプレーを見せた。
 小菅直人は積極的にシュートを放ち、山内盛久は泥臭くボールに絡んだ。それでも流れを変えられない。
 「試合では悪い時間もあるが、できる限り短くしないと大事な試合では(勝利を)持っていかれる」と伊佐HCは反省しきりだった。
 勝利を願う観客の大声援に後押しされ、最後はフリースローを着実に決めることで白星をつかんだ。「勝てて良かったけど満足してはいけない」とバーンズは言う。
 小菅は「あす(15日)は今日のような試合をしてはいけない」ときっぱり。勝利の中にも反省材料が多かった一戦を終え、2人はさらなるステップアップを誓った。
(平安太一)

◆misonoがサプライズ出演
 歌手やタレントとして活躍するmisonoが14日のキングス―大分戦でハーフタイムショーにサプライズ出演した。カバー曲を披露したmisonoは「温かい雰囲気の中で歌えた」と笑顔。スポーツ観戦をするのは初めてで「会場の一体感がすごくて感動した」と表情を輝かせた。