旧ソ連、北朝鮮…ひと味違う行程 新垣さん、旅の思い出を本に


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チュニジアなどこれまで十数カ国を訪れ、その紀行文を本にした新垣仁英さん=宜野湾市内

 【宜野湾】中学校の社会科教諭を務め、沖教組の元委員長だった新垣仁英さん(74)=宜野湾市野嵩=がこのほど「旅・ひと・風景~カメラを携えた紀行文」を自費出版した。これまで世界各地を旅してきた紀行文を1冊にまとめた本で、新垣さんは「旅好きな仲間の刺激になれば」と話す。本は約200部発行し、旅行仲間や知り合いなどに譲っている。

 1985年に旧ソ連を訪れた紀行文から始まる同書。訪れた国はパキスタンやチュニジア、旧ソ連、北朝鮮などいわゆるメジャーな観光地ではない点が特徴。
 今は社会人となり家族を持つ子どもたちが、小学校低学年の時に書いた家族旅行の感想文も掲載している。テレビドラマ「徳川家康」に触発されて計画した「戦国大名のお城を訪れる旅」や、船で鹿児島に渡り福岡まで電車で移動する旅など、家族旅行もひと味違う行程だ。
 「家族史のような側面もあり、後半は妻の実家名護市辺野古のこと、私の母親の出身地フィリピンの旅についても書き添えた」と話す。
 この時期の発刊については「今のこの状況も大きな風景の一つとして入れたかった」とし、昨年県知事選や衆院選があり、名護市辺野古への米軍移設を取り巻く状況が激しくなったことがきっかけという。
 印象に残っている国に北欧を挙げげ「医療費、教育費が無料で社会保障制度が充実している」と話し、3度も行ったシルクロード(中国など)については「また行きたい」と目を輝かせた。
 元社会科教諭だけに、旅行の計画を立てると1カ月以上前からその国について学び、現役時代は生徒たちに授業で紹介することもあった。
 今月中旬からスペインと、バスク地方への旅行を計画しているという新垣さん。旅の魅力について「旅とは人と人とが交流するもの。現地に行くと人間みんな一緒だなと思う。人との出会いが何よりの魅力」と笑顔で語った。