キングスPO進出 TKbjリーグ第34戦


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キングス-大分 第4クオーター、相手の激しい守備を受けながらも速攻に走るアンソニー・ケント=15日、豊見城市民体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=28勝5敗)は15日、豊見城市民体育館で大分ヒートデビルズ(同6位=12勝21敗)と第2戦を行い、98―65で勝利をつかんだ。

キングスは西地区8位以上が確定し、プレーオフ(PO)進出が決まった。キングスは第1クオーター(Q)から攻撃が爆発して大分を圧倒した。アンソニー・マクヘンリーやキブエ・トリムがインサイドを崩せば、岸本隆一や大宮宏正が外からリングを射抜いた。大分も高確率でシュートを決めて食らいついたが、第2Qはドゥレイロン・バーンズのアウトサイドなどで得点を重ねて52―36とリードして前半を終えた。第3Qも岸本が得点、アシストと大車輪の活躍でチームを引っ張った。トリムやアンソニー・ケントのビッグマンも得点に絡み、ルーキー津山尚大の3点弾も飛び出して快勝した。キングスは21、22の両日、島根県の松江市総合体育館で島根スサノオマジックと2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(29勝5敗)
98―65(28―17,24―19,24―17,22―12)
大分ヒートデビルズ(12勝22敗)

 【評】キングスが試合の序盤から主導権を握って最後まで流れを渡さなかった。第1Qからボールと人が動き、内外から効率よく得点。大きくリードして迎えた第3Q以降も集中力を切らさず、ケントとトリムのコンビプレーなどでリードを広げた。大分はいい形のシュートを継続できなかった。
(平安太一)

◆集中力途切れず
 伊佐勉HC(キングス)の話 昨日は前半が良くて後半は全く駄目だったので、今日は40分間やることを徹底しようと話した。選手が1秒も集中力を切らすことなく作戦の遂行レベルも高かった。守備も選手がしっかりとやって、いい形だった。お客さんも喜んでくれたはずだ。

◆全てに完敗
 鈴木裕紀HC(大分)の話 今日は出だしから全てにおいて完敗だった。守備はハードにやったけれど琉球ゴールデンキングスのチーム力が上回った。攻撃ではアウトサイドの確率は良かったが、キングスのプレッシャーが強かった。気持ちを切り替えて次のゲームに臨みたい。

◆ビッグマン、ゲーム支配 ケントとトリム
 2人のビッグマンがゲームを支配する。トリムが体を張ってリバウンドを拾えば、リング下ではケントが得点を重ねる。スクリーンで仲間を手助けし、相手の外国籍選手にマッチアップして動きを封じた。数字に残る場面でも、そうじゃない部分でも存在感を際立たせ、伊佐勉HCは「今後の試合で武器になると確信した」と手応えをつかんだ様子だった。
 後半に失速した第1戦の失敗は繰り返さなかった。第3Qの序盤から堅実な守備で相手のミスを誘発し、大宮の3点弾などで得点した。岸本はマクヘンリーやトリムにボールを回し、「いい形で第3Qに入ることで、自分たちのペースに持ち込めた」と振り返る。
 ケントとトリムがコートに立つと高さを生かしたプレーで大分を圧倒した。ともに208センチの長身を誇る2人が空中でボールをつなぎ、相手のリングに何度も襲いかかった。ケントは「普段から2ビッグのプレーは練習している」と実戦で成果を出せたことを喜ぶ。そして、「今後も(2ビッグが)うまくいく自信がある」と強調した。
 チームはプレーオフ進出を決め、今後は地元で試合を開催するために首位を守り抜くことを目指す。「チームも自分も、もっと成長できる」とケントは言う。シーズンも終盤戦へと向かっているが、頂点を目指すキングスが歩みを止めることはない。(平安太一)