水路暗渠化し市道を 繁多川住民263人署名、整備要望


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 緊急車両用の防災道路でなく、一般車両も通れる道路を造ってほしい―。那覇市繁多川2丁目の住民でつくる「水路の上に道をつくらせる会」(上原孝盛会長)はこのほど、263人分の署名と併せて要望書を市建設管理部に提出した。

市は同地域にある県営松川団地敷地内の通路を防災道路としての整備を予定している。これに対し、同会住民は通路そばを流れる排水路を暗渠(あんきょ)にし、そこに一般車両も通れる市道を整備してほしいと求めている。
 同会によると、住環境向上を掲げ、地域住民は40年前から同所に一般車両が通れる道路整備を求めてきた。排水路を活用した市道整備の求めに対し、市は1997年に「水質の改善、水辺空間の開放を図るために、暗渠の排水路は開渠を目指すことになっている。市内の排水路は原則として暗渠にしない方向だ」と回答した。
 住民の中からは松川団地敷地内通路を使った市道整備を要望する声も上がり、その趣旨の陳情も議会で採択された。市は2013年に県と県営松川団地自治会、繁多川自治会の4者で団地敷地内通路を防災道路として整備する確認書に調印、15年度予算案に整備費を計上している。
 同会は1997年の市の回答について「あくまでも当時の下水道整備基本計画内の原則であり、排水路の上に道を造れない法的根拠には当たらない」と主張し、ことし1月、市にあらためて排水路を活用した市道整備を要請した。市建設管理部は取材に「排水路を管理する市上下水道局に聞いたところ、暗渠にしない方針だった。団地敷地内の通路を道路に整備する方針だ」と回答している。
 同会は「団地住民の安全の観点から、敷地内に整備される市道が一般車両も通れる道路になることは見込めない。排水路を活用し、地域住民が求める道路整備を考えてほしい」と訴えている。

「一般車両も通れる道路を整備してほしい」と求め、下水路を眺める「水路の上に道をつくらせる会」住民=13日、那覇市繁多川