日立製作所は、ノーベル物理学賞候補といわれた故外村彰氏が社員として開発に携わった電子顕微鏡を完成させた。世界最高レベルの測定能力があり、43ピコメートル(10億分の43ミリ)の微細な世界を観察できる。米国の科学誌のオンライン版に17日(日本時間18日未明)に公表した。
政府の最先端研究開発支援プログラムの補助を受けて2010年から開発を進めてきたが、外村氏は完成を待たずに12年5月に死去した。
外村氏はミクロの物理現象が立体的に見える「電子線ホログラフィー」の技術を使った電子顕微鏡を、世界で初めて1978年に実用化した。
(共同通信)