下地島空港の利活用 FSOが参入計画


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 飛行訓練装置(フライトシミュレーター=FS)を運用するFSO(北谷町、玉那覇尚也CEO=最高経営責任者)が、パイロットを育成する訓練場の下地島空港(宮古島市)で新事業への参入を計画していることが24日、分かった。

滑走路も活用して航空パイロットの養成に取り組む。大手航空会社の撤退で利活用策定が喫緊の課題となっていた。FSOのほか、リゾートホテル運営の星野リゾート(長野県軽井沢市)が「ラグジュアリーリゾート」事業として進出を検討している。
 県は今後、4月以降に候補の事業者と使用面積などの協議を進め、2015年度中に最終的な利活用計画を策定する。
 FSOの玉那覇尚也CEO=最高経営責任者は、下地島空港での新事業について「アジア全体で20万人のパイロットが不足するとも言われ、全世界的にパイロットが足りないため養成に取り組んでいる。一般の人を訓練対象としたい。(海外市場への売り込みで)集客も見込める」と展望を話した。
 星野リゾートの広報は「事業運営会社としていろいろな案件にエントリーしている中の一つにすぎない。ことさらどう進めるという話はまだない」と述べた。
 下地島空港の利活用を考える県の検討委員会は23日、事業案を(1)ラグジュアリーリゾート開発(2)航空パイロットの養成(3)マルチコプター操縦技術者の養成(4)プライベートジェット等の受け入れ―の4案に絞ったと発表した。県は3月末までに最終的な業者を決定する手続きやスケジュールなどの方向性を決定する。
 県には昨年12月までに10案が提案されていた。複数の事業者に決まった場合、約600ヘクタールの募集面積を分割して契約する。
 下地島空港はパイロット訓練場として使われていたものの、フライトシミュレーター技術の発達などで訓練での使用回数が激減した。大手航空会社が撤退し県が維持管理費を負担するようになり、新しい活用計画の策定に向けて作業が進められていた。