天然ガス発電開始 タピック沖縄、ホテル内10%賄う


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 タピック沖縄(宮里好一社長)は、南城市の「南城ユインチ鉱山」で採取した水溶性天然ガスを発電などに利用するコージェネレーション(熱電併給)設備の運用を7日から開始した。

天然ガスを利用した熱電併給設備は県内で初めて。鉱山と同じ敷地で運営するユインチホテル南城の電力の約10%を賄うほか、天然ガスと一緒に湧出する温泉の排熱は給湯用の熱として利用し、ボイラーで使用する重油などの燃料代を削減する。
 関係者らが25日、県庁で会見し設備の稼働開始を発表した。宮里社長は「地下資源を無駄なく活用したエネルギーの地産地消のモデル事業だ。ガス供給が他にも広がっていくように、取り組んでいきたい」と今後の展望について語った。
 熱電併給設備の建設を担当したりゅうせき建設の金城克也会長は「化石燃料に代わる新しいエネルギーの事業に携われた。これからも環境に優しい天然ガスの普及に協力していきたい」と話した。
 ユインチ鉱山は2009年に環境省の天然ガス探鉱費補助事業の採択を受け、掘削を開始した。地下2119メートルから水溶性天然ガスと温泉の採掘に成功している。
 ユインチホテルはこれまで、天然ガスと一緒に湧出する温泉を温浴施設に利用し、温泉の排熱を給湯などに使っていたが、天然ガスの利用には至っていなかった。タピック沖縄は昨年9月に天然ガスの有効利用を目的に熱電併給設備の建設を開始していた。

ユインチホテルのコージェネレーションシステム&温泉熱活用
コージェネレーション設備の稼働開始で記者会見するタピック沖縄の宮里好一社長(右から2人目)ら=25日、県庁