中高生、議員と議論 経済、政治、基地…幅広く


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雇用や基地問題など沖縄を取り巻く課題について議員と議論する中高生ら=22日、那覇市おもろまちの那覇市緑化センター

 県内の中高校生が沖縄を取り巻くさまざまな課題について政治家と議論するイベント「県内議員と高校生とのディスカッション」(学生団体・未来ユース主催)が22日、那覇市おもろまちの市緑化センターで開かれた。

この日は興南高校・中学の生徒6人、政治家は宮崎政久衆院議員(自民)、屋良栄作那覇市議(無所属)が出席し、雇用、基地問題など幅広いテーマについて3時間にわたり活発に意見を交わした。
 未来ユースは県内の高校生を中心に組織する団体。
 未来ユースの代表を務める興南高1年の西村一馬君(16)は「沖縄の失業率や離職率の高さについてどう思うか」と質問した。屋良市議は「やりたいことと求人のある仕事が異なるマッチングの問題があるのではないか」と述べ、宮崎衆院議員は「沖縄はまだ恵まれている。県外にはもっと寂れている地域がある。えり好みせずに『働く』という覚悟が必要ではないか」と語った。
 奥間千夏さん(16)=同1年=は「県内には大企業が少なく、多くの人が安定した公務員を目指す。公務員以外の仕事をつくるべきだ」と指摘。上原潤也君(15)=興南中3年=は「情報通信産業(IT)やエンターテインメントなど、沖縄に合った仕事を取り入れてはどうか」と提案した。
 米軍普天間飛行場の移設問題については、外當陸(ほかとうりく)君(17)=興南高2年=が「世論調査では県民の8割が辺野古移設に反対しているが、県外に沖縄の声はちゃんと届いているのか」と疑問を投げ掛けた。
 辺野古移設を容認する立場の宮崎衆院議員は「米軍基地は経済発展の阻害要因だ。ただそれをどのように解決していくかという点で手法論が分かれている。安全保障政策はガラス細工で、この問題はなかなか難しい」と説明した。
 かつては辺野古移設に条件付きで賛成していたが、現在は辺野古移設に反対する屋良市議は「海兵隊が沖縄に常駐する必要があるのか」と疑問を呈し「米軍基地が沖縄に集中するのは民主主義のしわ寄せだ。本社(本土)は黒字経営部分だけで、赤字部門は沖縄で背負ってと言われているようなものだ」との見方を示した。
 議員側からの逆質問もあり、「18歳選挙権についてどう思うか」との宮崎議員からの問いには、「今でも若年者の投票率は低いのに、なぜさらに年齢を引き下げるのか」、「若者が『選挙に行く必要がある』と気付くために、まず教育を変える必要がある」などの意見が出た。