日台漁業協定、「船間4カイリ」合意せず 昼夜交代の水域拡大


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日台漁業取り決めの合意内容(2015年4~7月期)

 【東京】日台漁業取り決め(協定)の対象水域で来年度の操業ルールを決めるため東京都内で開かれていた日台漁業委員会は7日、日本側が強く求めていた全水域での船間4カイリ(約7・4キロ)操業の適用は合意に達しなかった。八重山諸島北側の三角水域の一部で、日台漁船が昼夜交代で操業する範囲を拡大することは合意した。

日台双方が24時間体制で連日操業できるようになる。会合は4カイリ間隔などをめぐり、日台の主張が対立し、最終日の6日から7日午前3時までずれ込んだ。
 会合で日本側は船間1カイリ(約1・85キロ)で操業する台湾船と、はえ縄が絡まるなどの被害を抑えるため、対象水域全域で船間を4カイリ離す日本の操業方法の適用を主張。だが、操業できる隻数が減り、漁獲量の減少につながるとして台湾側が反対し、適用は認められなかった。
 一方、日台の漁船が昼夜交代で操業するのは八重山北方の三角水域のうち、東経124度以東と東経123度以西の水域。マグロ漁業期の4月1日から7月31日まで、日本漁船が昼に、台湾漁船が夜にそれぞれ操業する。台湾側が縄を引き上げている間に、日本側の縄が水域に広がる仕組みになり、トラブルを回避し、双方が同等に操業する狙いがある。
 久米島西側の特別協力水域は、船間距離4カイリ、西向きの投げ縄など日本の漁法で操業する北緯26度線北側のうち、東経125度40分より西側の水域で、午前9時までに揚げ縄を完了することを条件に、台湾漁船が東向きに投げ縄することを認めた。
 船間距離1カイリなど台湾の漁法で操業する同水域南側のうち、東経126度線から西側に5カイリ(約9・25キロ)の水域は5月1日から7月31日まで、日本の小型漁船に配慮し、台湾のはえ縄漁船は可能な限り投げ縄をしないとした。そのほか、8月から3月までの間、台湾はえ縄漁船は適切な船間距離を確保し、日本の小型漁船に配慮を行うとした。