キングス、延長で屈す TKbjリーグ第40戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
キングス-大阪 第3クオーター、相手ディフェンスに阻まれて難しい体勢でシュートを放つ並里成=8日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=33勝6敗)は8日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサ(同5位=22勝17敗)と第2戦を行い、69―72で敗れた。

 試合の開始直後はキングスのシュートが連続でリングに嫌われ、大阪がリードを広げた。第2クオーター(Q)はアンソニー・ケントがインサイドで奮闘。並里成のアシストからダンクシュートを決め、31―30とリードして前半を終えた。
 後半は両者が一歩も譲らない接戦になった。キングスは3点を追いかける終了間際にドゥレイロン・バーンズの3点弾で同点に追いついて延長戦に持ち込んだが、一歩及ばなかった。

大阪エヴェッサ(23勝17敗)
72―69(14―11,16―20,17―14,16―18、延長9―6)
琉球ゴールデンキングス(33勝7敗)

 【評】延長戦まで着実に得点を重ねた大阪がキングスを上回った。前半から両チームの堅守がぶつかり合い、ロースコアの接戦になった。第4Qの終盤まで1点を争うクロスゲームになった。大阪はチャンスで得たフリースローをしっかりと沈め、キングスは勝負どころで得点を逃した。(平安太一)

◆メンタルで弱さ出た
 伊佐勉HC(キングス)の話 クロスゲームになってメンタル勝負になったときに弱さが出た。

◆現状の課題浮き彫り
 勝負どころで攻めきれず、フリースローの大事な1点を取り逃す。今のキングスが抱える課題が浮き彫りになった。「精神力の問題だ。クロスゲームになった時点で自分たちのバスケが崩れている」。延長までもつれる大接戦で黒星を喫し、伊佐勉HCの表情は険しかった。
 第1Qの序盤に連続でシュートを外し、大阪の背中を追いかける時間が続いた。それでも山内盛久がしつこい守備で相手のミスを誘い出すと流れが変わった。7点のビハインドは徐々に縮まり、並里成やケントが躍動した第2Qに試合をひっくり返した。
 第4Qは開始から3分以上も無得点と停滞したが、タイムアウトで流れを切った直後に勢いを取り戻した。堅守で大阪の攻撃を止めると、キブエ・トリムのダンク、バーンズの3点弾と攻め続けて同点とした。
 しかし第4Q終了間際、キングスは不要なファウルで相手にフリースローを与え、自らが得たフリースローを落とした。延長戦ではいい形でシュートを決められず、並里の3点弾で食らいついたが白星には手が届かなかった。
 バーンズは「この負けから立ち上がって、チームを強くする糧にしたい」と何度も繰り返した。プレーオフに向けて万全の態勢を築くためにも、悔しい敗戦を意味のあるものにする必要がある。(平安太一)