被災地の障がい者、思い続け 毎月チャリティー展


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展示するシーサー作品について作家の大城節子さん(奥)から説明を受ける仲地宗輝さん(手前)=2月25日、那覇市曙の「がじまるの樹の下で」

 被災地のことを思い続けてもらいたい―。那覇市曙にある就労支援センター・カフェギャラリー「がじまるの樹の下で」は2014年7月から毎月、展示品を変えながら東日本大震災被災地を支援するチャリティー展を継続している。

期間はことし6月までの1年間。代表の仲地宗輝さん(60)は「現地の人にとって3・11は終わっていない。企画を続けることで被災地のことを思い出してもらい、支援につなげたい」と語った。1年間の収益金を現地の福祉作業所などに贈る予定だ。
 震災から1年がたった12年4月ごろ、仲地さんは福島県と宮城県を訪ねた。明るさを感じる程度の視力の仲地さんは音と匂いで街の変化を感じ取った。以前に旅行で訪れたときと比べ、人の声が小さくなり、街はとても静かに感じたという。「空気も震災前の澄み切った匂いから金属の匂いに変わっていた」
 震災の爪痕が残る被災地を訪ねた後、支援の方法を模索した。
 「被災地のことを思い続けてもらいたい」。仲地さんは13年12月から通年企画の準備を始めた。泡ガラスや琉球ガラス、さき織り、写真、焼き物の作家の協力を取り付け、14年7月から企画展を開始した。毎月、展示内容に合わせたチラシを5千枚印刷し、協力してくれる施設に配る。
 「ヘルパーがいなければ自分で身動きが取れない。3県にいた1万6千人の障がい者の何人が亡くなっただろうか」。仲地さんは被災地で暮らす障がい者のことを思い、支援を続ける。津波被害を受けた福祉作業所は今も機器が不足しているという。
 手びねりで作ったシーサーを搬入した作家の大城節子さん(65)=糸満市=は「私も障がいがある身内がいる。思いは一緒だ。できる範囲で協力していきたい」と語った。