育休の喜び、苦労語る 男性取得者がシンポ


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男性の育児休業について議論を交わす(右から)玉那覇敦也さん、山里卓さん、照屋信之さん=2月28日、糸満市社会福祉センター

 【糸満】男女共同参画の推進を目的に、糸満市社会福祉センターで2月28日、「第18回糸満市VIVO(ビボ)フェスタ2015」(同市主催)が開催された。「その先に、あなたの身近な育児休業」と題したシンポジウムが行われ、マスコミや一般企業、行政で働く3人の男性が登壇し、男性の育児休業について喜びや悩み、課題を語った。

 パネリストは琉球放送報道部記者兼キャスターの照屋信之さん、金秀商事・タウンプラザかねひで前田店社員の山里卓さん、西原町役場職員でNPO法人「お父Ring沖縄」事務局長の玉那覇敦也さんの3人。
 山里さんは金秀商事の男性社員で初めて育児休暇を取得した。「休暇中の人員確保など職場の協力があって取得できた。企業の環境整備は重要だ」と指摘し、同社が2年前に事業所内保育所を開設したことを紹介した。
 一方、「育休中に資格を取ろうと思っていたが時間のゆとりがなく挫折した」と山里さんが話すと、照屋さんも「私も日記をつけようと思ったが挫折した。そのくらい時間がない。育休は“休暇”ではないと感じた」と実感を語った。
 玉那覇さんは「育休を取得した男性の多くが『仕事の方が楽』と言う。育休制度が会社にない場合は年休を使って3日間でも母親の代わりをしてほしい。気持ちが理解できると思う。母親の願いは育児技術の向上ではなく、『頑張っている自分を認めてほしい』ということだ」と強調した。
 3人は「最終的には“イクメン”という言葉がなくなり、男性の育児休暇が当たり前の社会になってほしい。そのために最初の1人が手を上げて企業を変えることが大切だ」と締めくくった。
 第1部では、照屋さんが「“気づき”が変えた私の視点~育児の体験から」をテーマに講話した。