キングス、終始主導権 TKbjリーグ 高松に84―59


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キングス―高松 第2クオーター、オフェンスリバウンドから直接得点を決めるキブエ・トリム=14日、宜野湾市立体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=33勝7敗)は14日、宜野湾市立体育館で高松ファイブアローズ(同8位=11勝29敗)と今季第41戦を行い、84―59で勝利した。主力のドゥレイロン・バーンズをけがで欠き、アンソニー・マクヘンリーも足の痛みで調子が上がらない苦境で、キングスは全選手が奮起した。

第1クオーター(Q)は岸本隆一がチームをけん引した。高松にリードを許した場面で逆転の3点弾を沈めると、インサイドにも果敢に切れ込んで得点を重ねた。第2Qはキブエ・トリムがリング下で力を発揮。大宮宏正とのコンビプレーで得点を重ねて42―37とリードして前半を終えた。後半は持ち前の堅守が光った。激しいプレッシャーで高松のミスを誘発すると、アンソニー・ケントや山内盛久が攻守で活躍して突き放した。高松との第2戦は15日午後2時から同体育館で行われる。キングスは西地区4位以上が確定し、プレーオフのホーム開催が決まった。

琉球ゴールデンキングス(34勝7敗)
 84―59(24―17,18―20,23―9,19―13)
高松ファイブアローズ(11勝30敗)
 【評】キングスがリングに向かう気持ちを切らさなかった。第1Qの立ち上がりは高松に先行を許したが、岸本が果敢に攻撃を仕掛けると流れがキングスに傾いた。後半は堅守で高松のミスショットを誘い、テンポの良い攻撃で主導権を握り続けた。高松は最後までキングスの守備に苦戦した。(平安太一)

◆一丸で苦境打破 4位内確定
 エースのバーンズを欠き、大黒柱のマクヘンリーは本調子じゃない。苦戦が予想される状況で伊佐勉HCは選手に伝えた。「自分たちの仕事を100%遂行して、チーム全体でバーンズの欠場を埋めよう」。その言葉を背中に受けた選手たちがコートで暴れ回った。
 得点力の高い岸本隆一は内外から積極的に得点を狙い、序盤のチームに勢いを与えた。第1Qの早い段階でケントのファウルがかさむと、高さのある大宮宏正がコートに。「準備ができていた」と語る大宮はリバウンドに得点と活躍を見せた。「負けられない気持ちが強かった。とにかく(相手に)ぶつかって、走った」と達成感をにじませる。
 第2Qはパワーのあるトリムがインサイドで躍動した。開始直後に3連続でシュートをねじ込み、「自分にできることをやろうと思った」と胸を張る。リバウンドにも積極的に絡み、24得点12リバウンドと力を見せつけた。後半は山内盛久が守備で相手をかき乱し、伊佐HCは「いい仕事をした」とうなずく。
 コートに立つ外国籍選手が相手よりも少ない時間が長く、体格で上回る相手に押し込まれる場面もあった。それでも大差で勝利を手にし、伊佐HCは「我慢の展開をしっかりと乗り切った」と粘り強く戦い抜いた選手をたたえた。(平安太一)

◆みんなが仕事に徹した
 伊佐勉HC(キングス)の話 バーンズがけがで欠場する中で、一人一人がいい危機感を持って自分の仕事に徹した結果、いいゲームができた。単純なミスもあったので、そこは気をつけなければいけない。ビッグゲームでは簡単に流れを持っていかれる。

◆プレーの質の差出た
 前田顕蔵HC(高松)の話 沖縄のディフェンスを崩せず、自分たちの強みを消されてリズムに乗れなかった。第3Qは自分たちのミスから失点をした。パスを出せず、フリースローを外し、シュートも入らない。プレーの質の差が出た。