リウボウ、中国客向け免税対応を強化


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3月から独立させて新設したデパートリウボウの専用免税カウンター=16日、那覇市のパレットくもじ

 沖縄県内唯一の百貨店、デパートリウボウ(那覇市)で、外国人観光客による免税取扱高が大きく伸びている。2014年度(14年3月~15年2月)の取扱高は約4億円で、前年度の4・3倍。売り上げ全体の約2・6%を占め、来年度は5%程度の割合にまで伸長を見込む。

15年2月だけで見ると、中国の旧正月「春節」の需要も取り込み前年同月比約7・3倍に伸長した。同社は3月から専用の免税カウンターを新設し、外国人向け無料Wi-Fiも設置するなど対応を強化している。
 春節以降、外国人客の需要は落ち込むことなく推移しており、3月の免税取扱高は、第1週目で前年の3月ひと月分を超えた。国籍別には中国が1位で、台湾が2位。12~2月はソウル直航便の増便で韓国客が増えた。
 品目別の免税取扱高は、婦人服が最多の20・0%。次いで化粧品18・1%、食品8・8%など。化粧品と食品は14年10月からの免税品目拡大の対象で、15年度はさらに拡大を見込む。免税品目拡大の10月以降で見ると、月々伸長し前年同月比3~7倍に伸びた。
 14年2月、外国人観光客対応の第1弾として1階案内カウンターを拡張して免税取り扱い機能を設けた。外国人観光客の伸長に伴い免税対応に追われ、通常の館内案内業務が滞りかねない状況になっていた。各フロアのレジでも手書きの処理で時間がかかっていた。
 こうした事態を受けてことし3月から免税カウンターを独立させ、中国語などにも対応できるスタッフを常駐させ、新システムも導入して迅速化した。クルーズ船寄港で一度に大勢の観光客が訪れるときにはさらに増員して対応する。営業時間が最も遅い地下食料品売り場にも、免税対応できるカウンターを設置した。
 外国人客対応は、無料Wi-Fiを1~3階と7~8階に導入したほか、ロッカーやトイレなどの各種案内板やホームページの多言語化や外貨両替機の設置も進めている。
 担当者によると、デパートスタッフは毎日午前10時の開店時に玄関で来客を出迎えており、連日のようにアジアの観光客が並んで開店を待っている状態が続いている。閉店間際にも駆け込んで、免税カウンターに列をなしているという。
 これまでの対応では、税を引いた額を客から受け取っていたのを、免税カウンターでは戻し税分を客に返還しているため、受け取った現金でさらに買い物をする副次効果も生まれている。