戸建てやマンションの空き物件を活用し、観光客に貸し出す「コンドミニアム事業」が好調だ。1月下旬に「かりゆしコンドミニアムリゾート」として3棟91室から事業を始めたかりゆし(那覇市)は、3月中旬までの累計で利用客数1010人と順調に伸びている。
不動産業のサニーズハウジング(北谷町)は米軍人・軍属向けの賃貸物件をコンドミニアムに改装し、現在の210室を年内に倍の420室に増やす計画だ。
かりゆしが現在貸し出している物件は5棟93室で、金武町、宜野座村、名護市(屋我地島)、北中城村、うるま市の5市町村に分布する。同社の當山智士社長は「空き物件の有効活用によって沖縄観光のスタイルを多様化させることができる」と説明。「沖縄を訪れる観光客の8割はリピーターで、今後このようなソフト戦略が求められるだろう」と分析している。
サニーズハウジングは需要の高まりを見越して早くから事業に取り組んでおり、2008年のリーマンショック以降、米軍人・軍属向けに整備した賃貸物件を順次、中長期滞在型のコンドミニアムへ改装してきた。国内客のほか、台湾や香港など外国人客の利用率も高い。利用客の7割をリピーターが占めるという。
マンション分譲・管理の大京(東京)も事業開始を発表した。3月から県内マンションの空き室を長期滞在者向けに貸し出す。
大京の担当者は「沖縄は気候が暖かく、年間を通して観光ができるため、バケーションレンタル事業の展開を決めた」と説明。まずは物件を貸し出すオーナーを募り、宿泊客を収容する仕組みを構築していく考えだ。(呉俐君)