ヤマネコ保護で新指標 環境省、増殖計画策定へ


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イリオモテヤマネコの保護に向けたワークショップ=15日、竹富町西表島の町離島振興総合センター

 【西表島=竹富】環境省は、竹富町西表島だけに生息する国指定特別天然記念物イリオモテヤマネコが安定的に生存できるための新たな「保護増殖事業実施計画(仮称)」を策定し、2015年度から10年間を実施期間として事業を始める。

新計画には具体的な目標や指標を設定し、成果を重視した事業管理を目指す。
 保護増殖の事業計画は1995年に策定され、ヤマネコの生息状況や特性の把握など取り組みが進められてきた。
 同省は西表島の世界自然遺産登録を視野に、今後より一層成果が上がる事業を効果的に進めていくため、従来の事業計画の具体化を図る必要があると判断した。
 計画策定に向け、過去の成果を検証し課題を整理するワークショップが15日、西表島の町離島振興総合センターで開かれ、関係者約60人が参加した。同省西表野生生物保護センターや林野庁などから、これまでのヤマネコの調査結果や交通事故防止対策、外来生物対策の現状などが報告された。参加者は各班に分かれ、ヤマネコ保護に向けた課題を整理し、今後必要な活動などについて話し合った。
 西表野生生物保護センターの福田真自然保護官は「継続調査で得られた成果の蓄積は大きいが、交通事故の増加という課題も出てきている。これまでの事業計画の達成状況を評価し、抽出した課題に対応した取り組みをより計画的に実施していくため、新たな計画をまとめたい」と話した。
(謝花史哲)