知事、辺野古埋め立て作業停止を防衛局に指示


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臨時の記者会見を開き、政府に対し辺野古沖での作業停止を指示したことを発表する翁長雄志知事=23日午後、県庁特別会議室

 翁長雄志知事は23日午後、県庁で臨時の記者会見を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が進めている海底ボーリング調査について、30日までに作業を停止することを指示したと発表した。その上で指示に従わない場合は「岩礁破砕許可を取り消すことがある」と述べた。

防衛局が海底に設置したコンクリートブロックがサンゴを傷つけていることを受けた措置。同時に臨時制限区域内でのサンゴ損傷の潜水調査に向け、立ち入りを許可するよう米軍へのあっせんも求めた。
 辺野古移設阻止を掲げる翁長知事が政府による海上作業を停止させるため新たに権限を行使した形。だが政府側はいずれにも応じない姿勢を示しており、知事の許可取り消し判断は必至とみられる。
 菅官房長官は23日午後の会見で「この期に及んでこうした措置をすること自体、甚だ遺憾だ」と不快感を示し、「現時点で作業を中止することは認められない」と重ねて強調した。
 県はサンゴ損傷の発覚を受けて2月16日、県が出した岩礁破砕許可の区域外でのブロック設置の停止を求めている。今回は「許可区域を含め、海底面の現状を変更する行為の全ての停止」を要求し、許可区域内を含むボーリング調査などの作業停止を指示。停止指示に関し「1週間以内」と、30日までの対応を求めた。
 会見で翁長知事は2月に行った許可区域外からの潜水調査結果などから、サンゴ損傷について「許可を得ずに岩礁破砕行為がなされた蓋然(がいぜん)性が高いと思量される」と述べた。
 県は、作業停止指示に対する対応だけでなく、県が求める臨時制限区域内での調査が完了できない場合にも、許可を取り消す要件に当たると説明している。
 作業停止を指示する文書は、県農林水産部の職員が23日午後、沖縄防衛局を訪れて提出し、防衛局の職員が受理した。