タブレットで医療通訳 浦添総合病院


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クラウド型ビデオ通訳サービスを利用する浦添総合病院管理本部システム管理課の上野孝生課長

 社会医療法人仁愛会の浦添総合病院(浦添市)はこのほど、増加する外国人患者に対応するため、タブレット端末を通して即時に翻訳できるサービス「クラウド型ビデオ通訳サービス」を県内で初めて導入した。

中国語など5カ国語に対応可能で、アジアから沖縄を訪れる観光客らへの診療支援が可能となる。今後同病院の健診センターなどへの導入も検討している。
 「クラウド型ビデオ通訳サービス」は、タブレット端末を使って日本電気(NEC)の通訳センターとビデオ通話で接続し、外国人患者と病院側が翻訳を介して会話できる。中国語のほか、韓国語、英語、ポルトガル語、スペイン語の計5カ国語対応で、24時間365日利用可能。通訳センター側のパソコン端末と利用者のタブレット端末の画像共有も可能で、画面上で必要資料を一緒に確認しながら、きめ細かく診療することができる。
 浦添総合病院は昨年12月下旬に同サービスを導入し、現在までの利用回数は10件。内訳は韓国語1件を除いて全て英語だった。現在、タブレット端末3台があり、救急外来と一般外来、入院病棟にそれぞれ1台設置している。
 同病院管理本部システム管理課の上野孝生課長は「沖縄を訪れる台湾や韓国などからの観光客は年々増加傾向にあるが、外国語での対応は英語に限られている」と現状を説明した。その上で「救急外来には常に複数の言語で対応できる通訳者が待機しないといけないが、全ての人材を雇用すると人件費も重なる。そのため、24時間多言語に対応できる通訳サービスを導入した」と述べた。今後同サービスを同健診センターに導入することを検討しているほか、需要があれば、タブレット端末を増やしていく方針だ。(呉俐君)