金武町文化協が実践 「しまくとぅば部会」設立


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 【金武】金武くとぅばを広めようと、金武町文化協会は「しまくとぅば部会」を設立し、活動に励んでいる。19日も学習会には受講者が集まり、独特な金武方言を歴史を交えながら学んだ。講師の仲間正直さん(66)は「金武の言葉はどこにもなく味くーたー。言葉を骨董(こっとう)品にしないためにも、まずは使おう」と活用を促した。

 部会は2月に設立し会員は20人。月に2回勉強会を続けている。会では、仲間さん編集の教科書を使い、単語や接頭語、接尾語などを学ぶ。歴史的な解説もあり、言葉の成り立ちから学ぶことができる。
 仲間さんによると、金武は石川の川を境に石川以南の地域から分断され、さらに山々に囲まれた地形ゆえに、ほかの地域にない独特な言葉になり、広がりが限定的だった。町内でも屋嘉や伊芸、並里でも言葉やイントネーションが異なる。
 仲間さんは「使われている範囲が狭い言葉は消える速度が早い。この辺で止めないといけない」と警鐘を鳴らす。
 受講生はほとんどが地元金武の町民だ。金武出身・在住の比嘉いずみさん(46)は「子どもに方言を聞かれても分からないことがあった。いい言葉だから、しっかり学んで残していきたい」と話す。
 教室には、方言札を逆手にとった「方言励行」の札が掛かる。作成した町立中央公民館の山城清盛館長は「金武の言葉に光を当てたい」と意気込みを見せた。

方言札を逆手にとった方言励行札
金武くとぅばを教える仲間正直さん(左)と受講者=19日、金武町立中央公民館