南西石油、精製中止へ ブラジル親会社が撤退


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 石油精製会社の南西石油(西原町)は26日までに、沖縄県内で唯一運営してきた原油精製事業について不採算を理由に閉鎖することを決めた。閉鎖の時期は未定。親会社のブラジルの国営石油会社ペトロブラスが日本からの撤退を決めたことに伴う措置。南西石油は26日までに、従業員に対し精製事業からの撤退方針などを説明した。

ペトロブラスは県内事業を日本企業に継承していくとみられるが、事業整理に伴う従業員の解雇は避けられない模様だ。
 関係者によると、ペトロブラス社は「すぐには閉鎖しない」と話している。ただ、現在県内のタンクは精製する原油がほとんどないとみられる。
 今後、県外や海外で精製したガソリンなどの製品を運ぶターミナル機能は継続する。ペトロブラス社はこれまで、南西石油の売却を模索していた。ペトロブラス社は所管官庁の経済産業省に3月中旬までに日本撤退の方針を説明した。経産省はペトロブラス社に対し「沖縄の石油の安定供給に一切の混乱を生じさせてはならない」と指導を続けていた。従業員についてペトロブラス社は同庁に対し「従業員対策は重要で、所要の対策を取る」と説明している。
 同庁には閉鎖を止める権限はないが、精製部門閉鎖後、ターミナル機能を運用するために必要な設備が整っているか、ペトロブラス社に具体策の説明を求めている。
 県内の石油流通は、南西石油の精製・販売のほか、出光グループが県外から精製製品を移入して販売している。(滝本匠、長嶺真輝)