南西石油 従業員減も 製油所、2段階で閉鎖へ


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 ブラジルの国営石油企業ペトロブラスは27日夜、「沖縄からの撤退計画を開始した」と表明し、子会社の南西石油の石油精製事業を閉鎖することを正式に発表した。発表に先立ち南西石油のリンコン・シオジロ・イシカワ社長は県や西原町などに対し、沖縄の石油の安定供給を見定めながら精製部門を2段階で縮小・停止する撤退スキームを説明し、最終的に南西石油の全株式を他社に売却するペトロブラスの方針に理解を求めた。

 精製施設は閉鎖するが、県外で精製された石油製品を移入して貯蔵・販売するターミナル機能に特化した事業形態に切り替え、沖縄での石油供給は継続する。複数の海外資本が南西石油に関心を示しているとみられ、イシカワ社長は「南西石油」の名称を残す形の承継を望んでいるという。
 一方、イシカワ社長は製油所の閉鎖により約200人の従業員の削減は避けられないとの見方を地元自治体などに伝えた。この点についてペトロブラスは「沖縄の地域社会や従業員に対する責任を果たすべく最良の方法を模索し、責任ある対応を行う」と発表した。
 南西石油の精製事業は原油安と施設の老朽化などで不採算を余儀なくされ、製油所を閉鎖する判断になった。第1段階として、現在の精製量を減らしつつ、精製品の移入量を高めていく。県内需要に見合う安定供給が図れることを見定めた上で、精製を完全に停止し、ターミナル機能のみで運営する第2段階に移る。