鹿児島銀行、10月1日沖縄進出 肥後銀行、出向で協力


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 【熊本市で長嶺真輝】沖縄進出を計画する鹿児島銀行(鹿児島市、上村基宏頭取)と経営統合する肥後銀行(熊本市)の甲斐隆博頭取は27日、沖縄進出について「肥後銀行として個別に拠点は設置しないが、鹿児島銀行から『人を貸してくれ』と言われれば、積極的に出向させたい」と鹿銀への協力姿勢を示した。上村頭取も同日、「10月1日を目標に進出できればと考えている」とあらためて強い意欲を見せた。

 両頭取は同日、熊本市で開いた両行共同記者会見で発言した。会見では経営統合で契約書を締結し最終合意したことを発表した。
 甲斐頭取は沖縄の市場について「人口も増加しており魅力的だ」と評価しながらも「鹿銀が出店するのに、我々が重複する必要はない」と説明。顧客の奪い合いを避けたい考えだ。しかし行員の出向には意欲的であり、鹿銀の行員のみの場合と比べより多くの人員が配置されることになりそうだ。
 一方で肥後銀の最上剛常務は「海外戦略で沖縄は一つの拠点になる。われわれは熊本県、ヤマト運輸と(アジアへの輸出拡大に向け)提携している。今後最大限活用することになる」と那覇空港を拠点とする国際物流ハブ事業の積極的な活用を見通した。
 上村頭取は「具体的な人数などは決まってないが、そろそろ詳細なことを決めていこうとしてる」と述べ近く正式に沖縄進出を発表する意向を示した。出店場所については鹿銀の郡山明久専務が「現実的には決まってないが候補は南部、那覇市あたり」と言及した。
 両行は10月1日付けで持ち株会社「九州フィナンシャルグループ」を設立する。本社機能を熊本市に置き、登記上の本社所在地は鹿児島市とする。会長に甲斐頭取、社長に上村頭取が就任する。2020年度の目標を預金残高9兆円以上、貸出金残高6兆5千億円以上、業務純益を450億円以上とした。

経営統合について最終合意したと発表し、握手する鹿児島銀行の上村基宏頭取(左)と肥後銀行の甲斐隆博頭取=27日、熊本市