世界最大級バース整備 県、観光行程表を承認


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県は27日、入域観光客数1千万人・観光収入1兆円の目標達成に向けた沖縄観光推進ロードマップ(行程表)を公表した。目標年度の2021年度まで、年度ごとに目標人数と観光収入を初めて設定した。急伸する外国人客は21年度にアジア地域から約78%、欧米などが約22%と想定した。客数伸長の施策として、欧米などのリゾート需要や国内富裕層のさらなる誘客への取り組みを挙げた。クルーズ船への対応は、那覇港の若狭バースをさらに拡張し世界最大級の20万トン超級が寄港できる第2バースの整備推進を盛り込んだ。

 27日の県観光推進本部(本部長・翁長雄志知事)で承認した。観光戦略の基本的な方向として、那覇空港第2滑走路が完成する19年度までは「沖縄観光の質の転換を実現する施策を集中実施」すべき時期と位置付け、受け入れ体制を重視する政策に転換していくとまとめた。
 新規需要を開拓する対象として、県外の空港で入国して国内線で来沖する「トランジット外国人客」や国内富裕層、沖縄旅行未経験者に照準を合わせ、誘客戦略の策定を進める。
 トランジット外国人客には国内移動に関する割引運賃制度の充実などを展開させる。富裕層には、ハイレベルなサービスの提供など受け入れ体制の整備状況に合わせて誘客施策を展開する。
 クルーズ船では、国内客受け入れへのため本部港のさらなる整備や中城湾港の位置付けを検討することも盛り込んだ。
 航空路線の座席数増加に向けては、地方空港でのプロモーションの展開や航空機燃料税・着陸料の軽減措置の政府への要請などに取り組む必要性を挙げた。
 16年度以降は、那覇空港のスポット増設などの機能向上に加え、直航便拡大を含めた離島への誘客を推進し、高価格ホテルなど宿泊供給量を増やすことなどを方針に掲げた。
 ロードマップの上位計画は、12年5月に策定した第5次県観光振興基本計画で、観光収入1兆円などの目標値は沖縄21世紀ビジョン実施計画で掲げている。