キングス、ミスミス黒星 TKbjリーグ第45戦


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キングス―京都 第3クオーター、3ポイントシュートを決めてチームを勢いづける岸本隆一=28日、沖縄市体育館(金良孝矢撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=36勝8敗)は28日、沖縄市体育館で京都ハンナリーズ(同1位=37勝7敗)と今季第45戦を行い、73―79で敗れて今季初の連敗を喫した。試合は開始直後から両チームの激しい守備がぶつかり合った。

互いにいい形でシュートが決められなかったが、キングスはアンソニー・マクヘンリーがリングをこじ開けて流れを呼ぶと、小菅直人のドライブなどでリードを広げた。第2クオーター(Q)に入ると京都が勢いを増し、外国籍選手を中心に得点を重ねた。キングスは岸本隆一が外からリングを射抜いてクロスゲームに持ち込み、33―32で前半を終えた。第3Qの立ち上がりはキングスがリードを広げたが、京都も食らいついてクロスゲームになった。試合は第4Qの終盤までもつれたが、勝負どころでシュートを決めた京都に軍配が上がった。京都との第2戦は29日午後2時から行われる。

京都ハンナリーズ(38勝7敗)
 79―73(6―14,26―19,25―22,22―18)
琉球ゴールデンキングス(36勝9敗)

 【評】勝負どころのプレーの精度が明暗を分けた。第1Qはキングスがスタートダッシュに成功したが、第2Q以降は京都も持ち直して1点を争う接戦になった。第4Qの重要な場面で、京都は攻守ともに堅実だったのに対し、キングスはターンオーバーやシュートミスで好機を逃した。(平安太一)

◆負けて残念
 伊佐勉HC(キングス)の話 勝ちたかった試合に負けて残念だ。ディフェンスなど、チームとしての遂行レベルで京都が上だと感じた。ホームのお客さんの前で、同一カードの連敗は絶対にやってはいけない。明日はキングスのプライドを懸けて戦う。

◆うまく我慢した
 浜口炎HC(京都)の話 タフなゲームになったが、チームがうまく我慢して最後に勝ちを拾えた。しかし明日負けて、その次の戦いで負けたら意味がない。会場の雰囲気にも慣れているので、明日は第1Qからチャレンジしたい。

◆一進一退、好機逃す 頂上攻防、僅差で涙
 試合終了のブザーを聞いた瞬間、岸本隆一はコートにうずくまった。「悔しいというか、ふがいないというか、キングスに入って味わったことのない感覚だった」。首位京都との直接対決だ。「絶対に負けられないと自覚していた」。大観衆の声援を受けて最後まで全力で戦った。しかし、大切な白星は逃げていった。
 小さなミスの積み重ねがあった。残り時間約2分で71―71の同点。京都はパルマーがシュートをねじ込んで2点のリードを奪う。キングスはパスが通らず得点のチャンスを失った。直後に岸本がスチールを決めて再び好機が回ってきたが、バーンズのシュートはリングにはじかれた。
 互角の戦いだった。第1Qにキングスが主導権を握っても、第2Qで京都が巻き返す。第3Qに京都が逆転すれば、キングスは岸本とバーンズの得点でリードを奪い返した。けがで戦列を離れていたバーンズは「エネルギーを出せた」とコートで暴れ回った。
 第4Qの最終盤、バーンズのシュートが外れた直後に、京都のパルマーが勝負を決定づける3点弾を沈めた。「明日パーフェクトの試合をしても悔しさは消えない」。岸本の表情は曇ったままだ。「もっと先を見据えて、チームの目標をもう一度、確認したい」。苦しい時期だからこそ岸本は顔を上げ、前進し続けるつもりだ。
(平安太一)