5歳児「居場所」2000人分増 子育て新制度 県内市町村


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 子ども・子育て支援新制度に伴い幼稚園児が放課後児童クラブ(学童)を利用できなくなる問題で、2014年度に「幼稚園児の学童利用」があった沖縄県内22市町村は15年度に向け、学童に代わる2200人分の居場所を増設・整備したことが29日までに、琉球新報が22市町村に実施したアンケートで分かった。

このうち認可保育園の「5歳児保育」が前年度比680人増、幼稚園の「預かり保育」が1260人増となったほか、2市が独自の補助事業として260人分の居場所づくりを実施する。
 県内では、保育を必要とする子も5歳になれば公立幼稚園に通う慣習があり、学童を利用する園児が近年でも1200~1300人いる。降園後の居場所をめぐる「5歳児保育問題」として、学童に代わる居場所づくりへの対応が求められていた。
 アンケートによると、各市町村の定員増などの対応により数字上は「居場所の確保」に一定の見通しがついた格好だ。しかし、15年度も学童の利用希望者が「いる」と回答したものの、その数を「不明」「把握していない」と回答したのが6市町村あり、十分な実態把握ができていない現状もうかがえる。一方、県内は保育士などの有資格者が恒常的に不足しており、“保育の質”の維持・確保が課題となりそうだ。
 制度に詳しい関係者は、市町村の取り組みに一定の評価をした上で「親のニーズに沿った体制になっているかは不安も残る」と指摘する。
 沖縄市、糸満市は独自事業で当面、既存の学童や認可外保育園が設ける専用室に人件費などを補助する。
 アンケートは、5日に22市町村の担当課に質問票を配布し、24日までに回答があった。