キングス、4Qで逆転 TKbjリーグ第46戦


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キングス―京都 第4クオーター、同点の3ポイントシュートを決める大宮宏正=29日、沖縄市体育館(花城太撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区2位=36勝9敗)は29日、沖縄市体育館で京都ハンナリーズ(同1位=38勝7敗)と第2戦を行い、70―66で勝利した。

第1戦と同様に第1クオーター(Q)からキングスと京都が激しい守備でぶつかった。キングスは岸本隆一の3点弾やキブエ・トリムのインサイドで攻め、第2Qの序盤は並里成が奮起してチームを引っ張った。しかし、京都守備の前に得点が伸びなかった。キングスは大宮宏正のドライブなどで接戦に持ち込み、31―32で前半を終えた。第3Qは開始直後から京都に連続で得点され、シュートが決まらないキングスは劣勢に立たされた。第4Qには10点以上のリードを許したが、大宮やトリムがインサイドを崩して追い上げた。最後は激しく守って京都の攻撃を防ぎ、僅差で勝利をもぎ取った。キングスは4月3、4の両日、福岡市民体育館でライジング福岡と2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(37勝9敗)
70―66(18―14,13―18,16―21,23―13)
京都ハンナリーズ(38勝8敗)

 【評】キングスが劣勢をはねのけて京都に逆転勝ちした。前半は堅実に守る両者が五分の試合を繰り広げた。第3Qに勢いを増した京都が主導権を握り、大きくリードを広げた。キングスは守備を固めてリズムを取り戻すと、大宮やバーンズの3点弾で試合をひっくり返した。(平安太一)

◆大きな1勝だ
 伊佐勉HC(キングス)の話 連敗を避けるために選手がプライドを懸けて戦った。第3Q途中から、やるべきことができずに京都のペースになった。選手が一度、冷静になって、やるべきことを実行したから勝ちにつながった。大きな1勝だ。

◆次が本当の勝負
 浜口炎HC(京都)の話 2日間、最高の雰囲気の中でいいゲームができた。沖縄の負けられないというハートの強さが完全に出たゲームだった。沖縄は選手個々のメンタルの強さがリーグで一番だ。次が本当の勝負になる。

◆持ち味の堅守 京都を封じる/終盤、息詰まる攻防
 残り時間16秒でキングスのリードは2点。京都のスローインから試合が始まる。確実に守りきることが求められる場面で、トリムは一瞬の隙を狙っていた。コートに入ったボールに手を伸ばし、相手のターンオーバーを誘発。「チームに貢献したい気持ちがボールに乗り移った」と語るトリムのプレーで、勝利が大きく近づいた。
 第4Qの中盤で最大13点のビハインドがあった。苦しい時間帯、伊佐勉HCはコート上の選手に何度も呼びかけた。「一歩一歩でいい」。むやみに攻めて得点を狙うのではない。持ち味の堅守でリズムをつかみ、2点をしっかりと重ねていく。いつもやっているバスケットを続けることが必要だった。
 その言葉を実践したのは大宮宏正だった。体格で上回る京都の外国籍選手に果敢にぶつかり、リバウンドに積極的に飛び込む。「絶対に勝ちたい気持ちだった」と言い、攻撃ではリング下やアウトサイドからリングを狙った。「男として1位のチームにぶつかった」と胸を張る。
 首位攻防戦を終え、京都とのゲーム差は1。キングスが西地区1位になるためには、残り試合の全勝に加えて、京都が2敗以上することが条件になる。厳しい状況はまだまだ続くが、大宮は「今日の勝ちからプレーオフにつなげられるチームになる」と決意を新たにした。(平安太一)