FC琉球が今季初勝利 J3第3節


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FC琉球―U22選抜 後半6分、2点目となるシュートを放つ琉球のMF田中恵太=29日、県総合運動公園陸上競技場(諸見里真利撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は29日、Jリーグアンダー22(U22)選抜と県総合運動公園陸上競技場で第3節を戦い、2―1で今季初勝利を挙げた。琉球は1勝1分け1敗、勝ち点4。10位から6位に浮上した。

 琉球は前半44分、新加入のMF田中恵太がヘディングで今季チーム初ゴールを奪って先制。田中は後半6分にもミドルシュートで2点目を挙げ、逃げ切った。
 次節は4月5日午後1時から、長野パルセイロと長野県の南長野運動公園で戦う。

琉球(1勝1分け1敗)(4)
2―1(1―0,1―1)
U22選抜(3敗)(0)
▽得点者 【琉】田中2【U】金子

 【評】FC琉球がMF田中の2得点で逃げ切り、今季初勝利を収めた。琉球は前半終了間際と後半の立ち上がりに田中が得点し、優位に立った。終盤、U22選抜に退場者が出て数的優位に立つ。引き過ぎてピンチを招いたが、最後まで集中力を切らさず、守り抜いた。(荒井良平)

◆勝って良かった
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 勝って良かったなという感じ。追い付かれそうな雰囲気があったのでどきどきした。受け身に回るとうちは弱い。(今季初勝利で)スタートが切れたという意味では大きな1勝だ。次節の長野戦は挑戦者として臨む。

◆セットプレーに課題
 高畠勉監督(U22選抜)の話 前節、山口に0―8で大敗してメンバーも入れ替えたが、選手たちは自分のプレーを出してファイトしてくれた。前半はいい入りだったが、課題のセットプレーで失点してしまった。

◆新加入の田中2得点/嫌な流れ断ち切る
 開幕以来、勝利も得点もなかったFC琉球を救ったのは、新加入のMF田中恵太だった。2得点でチームを今季初勝利に導いた。
 琉球は序盤、サイドの突破から好機をつくるものの、ゴールネットを揺らせずにいた。無得点に「チームが少しナーバスになっていた」(田中)。その嫌な流れを断ち切った。
 前半44分、コーナーキックのこぼれ球に反応すると頭で押し込んだ。「練習から狙っていた形だった。いい所にボールが来た」と今季チーム初得点でホームのサポーターを勢いづけた。
 2点目はミドルを狙った球が相手DFの脚に当たり、軌道が変わって相手GKの頭を越えた。「自分の積極的な姿勢がゴールにつながった」と胸を張った。
 169センチと小柄ながら豊富な運動量が持ち味。右サイドで上下動を繰り返し、何度も決定的なクロスを上げ、好機を演出した。薩川了洋監督も「うちの中でもすごくハードワークできる選手」と評価した。
 一方で後半19分にボレーをGKに正面でキャッチされ、ハットトリックを逃した田中へ「一つ上のカテゴリーを目指すなら、もっと(プレーの)質を高めないと」と、より高いレベルを求める。
 田中も「あれを決めていれば試合を終わらせられていた。(次節は)もっと泥くさくハードワークしていきたい」と前を見据えた。(荒井良平)