MICE与那原・西原が有力 豊見城、誘致撤退を検討


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MICE建設候補地(クリックで拡大)

 沖縄県が計画する最大収容2万人の大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)施設の建設地決定をめぐり、有力候補地の一つになっている豊見城市豊崎地区への進出を計画する台湾企業が「MICE建設に大きな面積を取られるようならば進出しない」と市側に伝えていたことが2日、分かった。

県側の示すMICE整備の条件が台湾企業進出の障害となっている事態を受け、豊見城市ではMICE誘致より台湾企業誘致を優先する動きが出てきた。豊見城市がMICE誘致を事実上断念する場合は、与那原町と西原町にまたがるマリンタウン地区に決まる可能性が高い。
 3月下旬に宜保晴毅市長は古堅國雄与那原町長に対し、県の提示条件への不満からMICE誘致からの撤退を考えていることを伝えたという。安慶田光男副知事は2日「県は具体的な話は聞いていない」と語った。
 豊見城市は、豊崎の美らSUNビーチ近くの15ヘクタールをMICE用地として提示してきた。台湾企業によると、豊崎でホテルや大型娯楽施設の建設を検討しているが、開発面積が限られる中で県側から豊見城市へ駐車場用地の確保などMICE用地拡張の要請があり、台湾企業にとって進出の制約になっているという。
 豊見城市は県の担当部署に条件の見直しを要請しているが、調整は難航している。宜保市長の2015年度施政方針は、前年度まで盛り込んでいた豊崎地区への「大型MICE施設を中心とした観光関連施設の誘致」が消え、「リゾートホテル、大型ショッピングモール等の施設の誘致を推進」の表現に変わっている。
 MICE施設をめぐっては豊見城市のほか那覇市、浦添市、宜野湾市、与那原・西原町が誘致に名乗りを上げ、県は豊崎とマリンタウンの二つに絞っている。