県内初の女性労基監督官 那覇労基署・浅利さん


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労働環境の改善に向け、意欲を語る県内初の女性労働基準監督官・浅利茉里乃さん=1日、那覇労働基準監督署

 県内初の女性労働基準監督官となる浅利茉里乃(まりの)さん(22)=北海道出身=が1日付で那覇労働基準監督署へ赴任した。女性の監督官は復帰後に県内へ労働基準局が設置されて以来、初めて。

 浅利さんは3月に立命館大を卒業し新採用後、初の赴任地で希望通りに沖縄勤務が実現した。取材に対し「一人前の監督官を目指し、法と実際の社会の懸け橋になりたい。労働者の立場で信頼される監督官になりたい」と抱負を語った。
 全国の労働基準監督官は約3千人で、女性は約12%と少ない。近年は増加傾向で、2015年度採用の191人のうち女性は約3割の49人。県内は5地区で29人の労働基準監督官が勤務する。
 浅利さんは、大学の卒業論文で日本で働く外国人労働者に関しまとめ、監督官に関心を持ったという。沖縄赴任を希望した理由に関し「沖縄は旅行で訪れたことがあり、親しみを持っている」とにっこり。県内雇用情勢に「経済が上向きの一方、非正規労働者が多いのが課題」と気を引き締め、「監督官は男女関係なく活躍できる。身構えることなく、自然体で頑張りたい」と語った。
 来年度に向けた「労働基準監督官」採用試験の受け付けは1日から始まっており、沖縄労働局監督課は「多くの人に応募してほしい」と女性も含む幅広い応募を呼び掛けている。