OCS完全子会社化 琉銀、カード分野強化


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 琉球銀行(金城棟啓頭取)は2日、クレジットカード会社のOCS(渡慶次道俊社長)の全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。琉銀関連会社のリウコム(石川眞一社長)が保有するOCSの普通株式380株を計3200万円で取得する。好調に推移するクレジットカード分野への対応をにらみ、再生を支援してきたOCSを完全子会社とすることを決めた。

 琉銀はOCSの発行済み株式の96・47%を保有しているが、大半は議決権のない優先株式で、議決権の所有割合は5%(普通株式数20株)だった。株式取得に伴い、琉銀の2016年3月期第1四半期の連結業績で約40億円の特別利益が計上される見通し。
 琉銀は09年に、債務超過に陥った旧オークスの大口債権者として民事再生を主導。新会社OCSの社長に琉銀常務だった渡慶次氏が転出するなど、再建を支援してきた。
 OCSの業績が軌道に乗る一方、流通大手系のカード会社の県内進出が進んでいることなどから、地銀との連携で新たなサービス展開など営業力の強化を図る考えだ。一方、琉銀のカード子会社にはりゅうぎんディーシーがあるが、地域流通会社との提携カード発行や中古車を中心とした信販ローンに強みがあるOCSとは客層が異なるとみて、連結ベースの収益力向上が生み出せると判断した。