カナダ在住の中国人画家が描いたシュールな油絵が、ネットで注目をあびている。マージャン卓を囲む東洋人と欧米系の妙齢の美女。それぞれ日中米露の4大国を象徴し、中国をめぐる情勢を描いたものというのがネット上の絵解きだ。絵が醸し出す雰囲気同様謎めいていて面白い。
このゲーム、負けると服を1枚脱ぐのがルールとか。手前で画面に背を向け、後ろ手にパイを隠し持つ上半身裸の女性が中国。ほぼ全裸で右手に横たわり、正面向こうの米国と隣の中国に媚(こ)びを売るのがロシアだ。米国と言えば上半身に着衣はあるものの、下半身はすでに丸裸。倦怠(けんたい)さえ漂わせている。
右手奥には、半裸でナイフを手に立つ女の子もいる。台湾説、北朝鮮説、中国の下層労働者説など諸説あるが、いずれも“疎外”と隠れた不安要因を象徴するとみている。勝負は結局、手段を選ばず手っ取り早い上がりを狙う、中国の勝利に終わりそうだ。一方、左側で自分の手にばかり見入っているのが日本。負けが込んでいるのかすでに全裸だ。手も悪く状況も読めない日本に、勝ち目などない。
(渡辺ゆきこ、本紙嘱託・沖縄大学准教授)
【チャイナ網路】マージャンをする裸婦
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琉球新報社
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