豊見城市、MICE誘致方針を堅持 県と非公式に調整


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MICE誘致について豊見城市の方針を説明する宜保晴毅豊見城市長=3日、豊見城市役所

 豊見城市の宜保晴毅市長は3日、市役所で記者会見し、県が計画する最大収容2万人の大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)施設の豊崎地区への誘致方針に変わりがないことを強調した。琉球新報が3日付1面で「豊見城、誘致撤退を検討」と報道したことについて、2015年度の施政方針からMICE誘致の文言を削るなど一時は撤退も視野に検討していたことは認めた。

その上で、3月27日に安慶田光男副知事との非公式の面談の結果、誘致方針の堅持を庁内で確認したことを明らかにした。
 会見で宜保市長はこれまでの県側との調整内容を説明し、県が構想する2千台規模の立体駐車場について、市が提示した場所での用地確保は難しいとして県側から施設配置の変更を求められていたことを明らかにした。市側がホテル建設や民間資本を活用した複合施設の整備を提案していた区域に、県単独でMICE施設を整備すると要請があったという。
 宜保市長は「これまでと違う要求をされたり、民間活用を否定されたり、県がそのような考えなら撤退も辞さないと伝えた。だが安慶田副知事や県幹部から、事務方の修正要求は県の総意ではなく、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の手法を含めて民間活用を検討するという前向きな話が聞けた」と説明。「豊見城だけで考えると民間企業誘致の方がいいが、県全体で見ると豊見城は地の利を生かしてMICE型観光に貢献できる。MICE誘致の堅持を決めたのに撤回と報じられると本市に悪い影響が出る」と述べた。