雑草防ぎ経費削減 新ブロック実証実験


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防草ブロック工法の仕組み

 側道のブロック製造などに取り組む県内12業者で組織する県コンクリート二次製品協同組合(宜野湾市、大城保一理事長)が、除草剤を使わず側道の隙間から生える雑草の成長を防ぐ「防草ブロック工法」の実証実験に取り組んでいる。維持管理費の削減や景観の改善、歩行者やドライバーの安全確保などさまざまな効果を見込む。

3年計画の実験を9月に終了し、その後本格的な普及に入る。
 ブロックと舗装材の隙間から生える雑草は、通常太陽光に向け上向けに成長する。しかし防草ブロック工法では、ブロックの側面に溝を造り、溝に舗装材を流し込むことで折り返し部分ができる。そのため雑草が隙間に沿って下向けに伸び、枯れていく仕組みだ。
 実証実験は2012年10月に国道58号宜野湾バイパスで開始した。3カ月ごとに沖縄総合事務局に写真で成果を報告している。同組合によると、現在まで雑草は確認されていない。実証成果を受け、14年度には南城市の国道で初めて実用化された。
 ブロックの費用は、溝を造る工程が加わるため従来に比べ約5%割高になる。除草作業の省略による維持費用の削減などの付加価値を付けて販売する。
 同組合の上地勝男営業課長は「沖縄は県外に比べ雑草の成長が早い。側道から生えた草が通学路を覆い、子どもたちが道路を歩くなど危険な状況もある。将来的に防草ブロックが当たり前になれば社会貢献にもつながる」と話した。