夜10時以降の携帯使用 小学生17%、中学生56%


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 【浦添】夜10時には親が子どもの携帯電話を預かる運動を呼び掛ける浦添市教育委員会はこのほど、市内の小中学生を対象にした携帯電話・スマートフォン利用のアンケート結果をまとめた。

携帯・スマホの保有率は小学高学年で49%、中学生では63%と半数の児童生徒が所持しており、夜10時以降の使用は小学高学年が17%なのに対し、中学生になると半数以上の56%に上った。
 調査は市内11小学校の4~6年生と市内5中学校の全児童生徒に実施した。ホームルームの時間などに各学級で挙手による回答で集計した。
 携帯電話やスマホでインターネットを利用している児童生徒は、小学生が39%で、中学生になると61%に増加した。一方で「家庭での使用ルールがあるか」の問いでは、小学生の54%が「ある」と答えたのに対し、中学生は「ある」の回答が41%に低下した。特に中学3年生は7割が家庭でのルールは「ない」と回答しており、中学生になるに従い親の監視下を離れ、自由に携帯を利用している傾向が浮き彫りになった。
 浦添市教委が「携帯電話(スマホ)の利用は夜10時まで」など10カ条を策定し、各校に配布した「サイバー犯罪防止チラシ」を保護者と読み合わせたかどうかを聞いたところ、「読み合わせをした」の回答は小学生で21%、中学生は32%にとどまり、家庭への浸透に課題を見せた。
 スマホの普及に伴い子どもが性犯罪やいじめに巻き込まれるケースが社会問題化していることを受け、市教委と青少年健全育成市民会議は昨年12月、携帯・スマホの夜間の利用制限を呼び掛ける運動を県内市町村で初めて開始した。市教委は利用実態の調査を継続していくとし、「冷蔵庫の扉など常時目に触れるところにチラシを貼ってもらうなど、学校や家庭で読み直しを進めてほしい」と話した。
 1日の携帯・スマホの利用時間については学年が上がるにつれ長くなる傾向があり、小学4年生は9割が「1時間以内」だったのに対し、小学6年生では33%が「1~3時間」と答え、「3時間以上」も1割近くあった。