【アルゼンチン】核廃絶へ絆構築 平和首長会議 小溝事務総長


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 平和首長会議の事務総長で広島平和文化センターの小溝泰義理事長がこのほど、アルゼンチンを訪れた。小溝氏は、首都ブエノスアイレス市の文化大臣と会談したほか、新規加盟都市のサンタフェ州ロサリオ市とブエノスアイレス州メルセデス市を訪問し、新たに絆を深めるため市長や国際関係担当者と会談した。

 平和首長会議は、核兵器廃絶の市民意識を国際的な規模で喚起することを目的とし、各都市の相互連携を通じて飢餓や貧困、難民などの諸問題の解決、恒久平和実現に向けて取り組んでいる。世界約160カ国・地域の6585都市が加盟、沖縄からも31市町村が参加している。
 アルゼンチンでは、広島平和文化センター専門委員の相川知子氏主宰のNGOフンダシオン・サダコが平和首長会議と協力し、平和教育活動に取り組んでいる。多くの現地県系人も平和活動に取り組んでいる。
 そのほか1994年に設立されたセントロダイワ(屋富祖アリシア代表)は、ブエノスアイレスの西側地区で20年以上、日本文化振興に取り組んでいる。折り紙研究家の真栄城カズコ氏によると、アルゼンチンの人たちは折り鶴に関心が高く、セントロダイワも平和のシンボルとして千羽鶴を広めているという。
 小溝氏は、世界平和の鐘が設置されているパレルモ日本庭園で、NGOサダコが主催するイベント「広島との対話」に参加。2020年までの核兵器禁止条約の交渉開始などを求める署名への協力や、平和首長会議加盟を呼び掛けた。セントロダイワなどの団体・個人は、広島の「原爆の子の像」にささげるための千羽鶴を一行に託した。
(大城リカルド通信員)