【島人の目】「島ーず」の新年会


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 3月まで雨期真っただ中でどしゃ降りだったインドネシアはジャカルタから初めまして。バブル期と言われ盛り上がるインドネシア、激動の中ジャカルタ在住の島人(しまんちゅ)の活動を紹介していきたい。

 ジャカルタには二つの県人会がある。一つは「沖縄会」。沖縄好きな人やゆかりのある人、興味のある人、誰でも参加でき沖縄とジャカルタの交流が目的。昨年には20周年を迎えた。もう一つは島人が集まる「島ーず」。先日、その島ーずの新年会があった。
 私の職場は五つ星ホテルと、たくさんの日本企業が入っているオフィスビルとがつながっている建物の中にある和食レストラン。仕事はマネジャーシェフ。もう一つの顔はジャカルタ在島人の会「島ーず」の幹事だ。
 島ーず出席者の条件は、沖縄出身か、沖縄で生まれ育った人。2カ月に1度ウチナー料理を囲み、思い切り、なまり、しゃべり、笑う集まりだ。
 現在メンバーは22人。年齢は24歳から見た目70歳と幅広く、出身地もうるま、読谷、宮古、浦添、首里、コザ、金武、安謝、大宜味などさまざま。職業もITや輸入、物流、住宅、建築、農業、エンタメと多岐にわたっている。
 皆、日々仕事に追われ、なかなか全員が集まれないが、お互いに日ごろから連絡を取り合っている仲良し同士。ことし最初の「島ーず」は新年会も兼ね11人で鍋を囲んだ。
 私が管理している和食店で集まるため、ゴーヤーチャンプルーやラフテー、島ラッキョウなど、島ーずの日はいつもはない沖縄家庭料理が並ぶ。持参の泡盛で「やっぱりこれだよね」と杯を重ね、出てくる話題は仕事や生活情報や恋の話。時間がたち盛り上がるころには地元の話や子どものころの話で笑い、最後には親のありがたさに涙する。
 「島ーず」のために、店のスタッフが沖縄関連の音楽を集めたCDが流れる。ジャカルタで聞くBEGINがこれまた胸に染みる。
 世代の違いや職種の違いはあるが、この日は皆、沖縄というくくりのきょうだい。皆それぞれに思い切り自分を頑張り楽しんでいる。
 雨期が明け、毎日が晴天のジャカルタで、島人、カラッと笑顔!
(宮城亜希子、ジャカルタ通信員)