「Kukulu」で卒業・閉所式 不登校の中学生支える


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金城隆一代表から卒業証書を受け取る生徒=3月29日、那覇市天久の天久ヒルトップ

 生活保護世帯の中学生への不登校支援を目的とした那覇市の居場所づくり事業「Kukulu」の卒業式・閉所式が3月29日、那覇市天久の天久ヒルトップであった。支援者たちが見守る中、一人一人へのメッセージが込められた卒業証書が13人の生徒に手渡された。卒業生たちはKukuluへの感謝を述べ、閉所となることを惜しんだ。

 「ムードメーカーとしてみんなを楽しく巻き込んでくれた」「家事と学業を両立して高校合格した」「しっかり生き抜いて」。Kukuluを運営するNPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいの金城隆一代表は、一人一人のいいところや思い出などをつづった卒業証書を読み上げ、手渡した。
 卒業生は「10月に行った瀬長島での海遊びが一番の思い出。Kukuluがなくなるのは残念だけど、将来の夢に向かって頑張る」と決意を述べた。別の生徒は「いろんな経験ができた。Kukuluに来るようになって勉強するようになったし、自分で料理をするようになった。なくなったらこれからどうしよう」と話した。
 卒業生の保護者は「通い始めたときは将来のビジョンも見えなかったが、Kukuluの皆さんに支えてもらって高校も合格できた。成長する姿を見せるのが恩返しになる」と感謝した。
 居場所づくり事業は福祉部の事業としてNPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいが受託運営してきたが、2014年度で終了。15年度からは教育委員会の自立支援教室事業事業として引き継がれるため、Kukuluは閉所となる。
 今後、ちゅらゆいは自主事業として高校進学後にさまざまな理由で高校中退しそうな生徒の学習、生活支援や、学校卒業後に社会参加し働けるためのプログラムの提供などを展開する予定。金城代表は「現状は16歳以降の支援制度がない。高校進学後の見守りについて、サービスをつくっていきたい」と話した。