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『シンデレラ』主演のリリー・ジェームズ

めちゃ気持ちいい女優でした
▼初めて実写化された『シンデレラ』(ウォルト・ディズニー、4月25日公開)に主演した英国の女優リリー・ジェームズが来日し、インタビュー取材に行った。ホテルの高層階、窓が大きな広い角部屋に入ると、奥でスタッフと立ち話をしている彼女がいた。

膝上何十センチあるのかという超ミニだが、上に目を転じると襟がキュッとした清楚な印象のいでたち。声を掛けると、誰もが勘違いしてしまうほどの満開の笑顔で、軽くウェーブさせた長い髪を揺らして歩み寄ってきて、「おはようございます、お会いできてうれしいです」(←英語です)と握手の手を差し出してくる。そこで一度、私は死んだ。

▼今作を見ると、「ああ、この人がシンデレラ役で良かった」と、ほとんどの観客が感じるに違いない。そのスクリーン上の好感と実際の本人の間には、いくらかギャップがあることぐらい覚悟して来たのだが、何と気持ちのいい人か。にこやかにノーガードで会話を楽しみ、「兄からは『お前、シンデレラほどいい人じゃないけどな』って言われたけど、アハハハ」と快活に笑う。この人を好きにならない方法が存在するだろうか。日本でいうとモデルの森星(もり・ひかり)が近い印象だ。テレビで見ただけだが。

▼『シンデレラ』後のリリーの待機作もまた「THE」を付けたくなるヒロインのオンパレード。過去に幾度も映像化されているジェーン・オースティンの小説『プライドと偏見』の主役エリザベス。舞台『ロミオとジュリエット』でジュリエット。ちなみにロミオ役は『シンデレラ』で王子を演じたリチャード・マッデンだ。
 「それに、今はドラマで『戦争と平和』のナターシャ役も演じているの。文学作品で、あまりにも肩の荷が重い役が続いて…。普通の役柄も演じたい~」とリリー。普段はTシャツとジーンズで過ごしているそうだ。
 ナターシャはオードリー・へプバーンが演じた役。『ローマの休日』をリメークするのは暴挙だろうが、ひょっとしてこの人なら…と思わせる引力がリリーにはある。

▼上記の待機作で、最も心配で最も楽しみなのがプライドと偏見の映画だ。今のところ原題は『プライドと偏見とゾンビたち』。脚色が斬新過ぎる。
 「リリーさんはエリザベス役でしょ。で、ゾンビはどこ? 誰?」。「話すと長いの(笑)。でもこれはワイルドで、シュールで、おかしくて…。物語のハートはそのままに、でも設定がゾンビのいる地球で…(笑)。とにかく見て、見ないと分からない」。おおもとの脚本はあのデビッド・O・ラッセル。来年日本でも公開されることを祈ります。

▼取材の最後、一緒に記念写真に収まってくれたシンデレラに「ありがとうございます、Your Highness」と御礼申し上げると、リリーは大笑いして、すかさずドレスを両手で軽くつまみ挙げる仕草をして、ダンスの直後のような会釈。謁見無事終了となり、夢見心地で部屋を辞した。(敬称略)
(宮崎晃の『瀕死に効くエンタメ』=共同通信記者)
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宮崎晃のプロフィル
 みやざき・あきら 共同通信社記者。2008年、Mr.マリックの指導によりスプーン曲げに1回で成功。人生どんなに窮地に立たされても、エンタメとユーモアが救ってくれるはず。このシリーズは、気の小ささから、しょっちゅう瀕死の男が、エンタメ接種を受けては書くコラム。
(共同通信)


ディズニー映画『シンデレラ』主演のリリー・ジェームズ=東京・六本木

宮崎晃


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