琉球大学、教職大学院設置へ 16年度開設目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
2016年4月の開校を目指す「教職大学院」について会見する琉球大学の大城肇学長(右)=8日、西原町の琉球大学

 琉球大学(西原町、大城肇学長)は、2016年4月の開設を目指して「教職大学院(高度教職実践専攻)」の設置申請を3月31日文部科学省に提出した。定員14人で、標準修業年限は2年。修了すると「教職修士(専門職)」の学位が得られる。申請を受け8日、同大で教職大学院の概要について大城学長らが会見した。文科省による審査結果は8月ごろに出る予定。

 既存の修士課程が「専門性の理論の追求」を柱としているのに対し、教職大学院は「理論と実践の融合」を基本としたのが特徴。現在の学校現場が抱える課題に対応できる人材の育成を目指す。
 定員14人のうち10人程度は現役教諭を想定している。2年間の課程のうち2年目は学校現場に戻り、現場での実践を通した「研究」とする。大学院の指導教員が学校現場に出向いて指導するなど、指導する側も現場を意識した仕組みにする。教育実習も必修とし、学校現場の協力が不可欠となるため、県教育庁と「教職大学院連携推進会議」を設置する。
 教員免許を取得していることが入学の条件。現在の教育学部の大学院(教育学研究科)は4専攻、定員35人。教職大学院となる「高度教職実践専攻」を新設し、専攻を5に増やす。
 定員総数35人は維持したまま既存の「学校教育専攻」の定員を2人減の3人、「教科教育専攻」の定員を24人から12人に減らし、その分を教職大学院の定員14人にする。既存の「特別支援教育専攻」と「臨床心理学専攻」の定員は3人のまま。既存専攻を少人数化することで、よりきめ細かな指導を実施し、修士課程の機能強化も図る。
 小田切忠人・大学院教育学研究科長は「県内で長年の課題となっている学力問題と生徒指導を一体的に捉え、対応できる教諭を育成したい」と話した。大城学長は「『教育』の成果が出るのは時間がかかるが、毎年10人、大学院を修了した教師が現場に戻れば、10年で100人になる。結構成果は早く出るのではないか」と期待感を示した。