トルコギキョウ好調 JA、14年度生産1億円に


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キク類との輪作でトルコギキョウの栽培を始めた福元明夫妻=糸満市米須

 JAおきなわが2013年から計画栽培を始めたトルコギキョウの生産額が、14年度は目標額の約2倍となる1億円に達する見込みで、好調に走りだしている。

 JAは15年度の目標を今期からさらに3倍の3億円に設定する方針だ。キク類と比べ単価が安定していることから、沖縄のキク農家に導入することで農家所得の安定につながると期待されている。トルコギキョウの計画栽培は、価格変動が激しく安定収入が難しいとされるキク農家の支援を目的に始まった。キク類は11月から3月が出荷のピークで、市場単価は約30~50円で推移している。この時期以外は無収入となるほか、台風などで生産量が減少すると農家所得に大きな影響が出る。
 一方、トルコギキョウの単価は100円から高い物では250円台の値を付ける物もある。県外や外国産が市場で品薄になる3~5月の端境期に、県産物が出荷の時期を迎える強みがある。苗の植え付けも、台風襲来期を外して10月後半から11月初旬にかけて実施できる利点がある。
 14年度は前年度より7農家多い15農家が栽培に取り組んだ。栽培面積も約2・2倍の計2万5千平方メートルとなり、JAはトルコギキョウの国内最大産地である長野県の業者を招いて農家への技術指導も実施した。
 糸満市内でキク類を栽培する福元明さんは「技術指導が助かっている。キクと比べて単価も安定している」と笑顔を見せた。
 JAおきなわの上江洌進花卉(かき)部長は「キクとトルコギキョウの輪作で農家の所得向上に取り組み、沖縄の花卉事業を活性化させたい。県外の市場からの引き合いは強く、本年度は約3億、次年度は約5億と拡大していきたい」と意欲を話した。
(上江洲真梨子)